濃度・オブ・ザ・リングBACK NUMBER
《特別グラビア》スターダム林下詩美が語る“女王ではない今”の自由さ…話題の“中野ぅたみ”も登場「かわぃぃことしかとりぇがなぃんですぅ」
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph byTakuya Sugiyama
posted2022/05/14 17:01
スターダムの林下詩美と、話題の別人格・中野ぅたみによる特別グラビアインタビュー
QQへの想い「私がリーダーになったら…」
「人数が減っても何もあきらめてなかったです。レディが来てくれて光由も入って、妃南さんも戻ってきて。本当にここからですね。私がリーダーになったら、QQのために生きていきたい。ベルトに向けて動いたり、後輩たちの実力の底上げも」
林下、AZM、上谷はシングルプレイヤーとしても優秀なだけに、最近はユニットとしての色があまり出ていなかったのではないか。そこに後輩たちが入ることで、逆にまとまりが生まれた。その後輩たちに「QQに見合う選手になってほしい」という思いも強い。特に天咲は、林下にとって初めてできた歳下の後輩だ。
「妹が1人増えたみたいな感じで、つい甘くなっちゃいますね(笑)。光由は表情だったりプロレスに向き合う姿勢だったり、この世界に向いてると思います。練習でできないことがあると、自分から“もう一回お願いします”と言ってくる。それも何回も。素直で物怖じしなくて貪欲さがあって……ちょっとふわっとしたところもあるんですけど」
“ビッグダディの三女”は“QQの林下詩美”として
林下といえば大家族。兄と姉が6人、妹が5人いる。本人によると「歳上の人といる時は思いっきり“甘えさせてください!”って感じです。けど1人でも歳下がいると“お姉さんしなきゃ”ってなるんですよ」。天咲のデビュー以降、インタビュースペースなどでの林下の“お姉さんっぷり”も新たな見ものになっている。
なぜQQが大事なのか。林下はデビュー当時から“ビッグダディの三女”として売り出され、話題になった。自分としては1人の新人として扱われたかったが「どうせいつか分かることだから」ということになった。結果を出す前から注目されることは、逆風にもつながる。だから人一倍練習したし、プロレスのことを誰よりも考えた。入門する前から「家族とプロレスだけでしたから、自分は」。
そんな彼女がQQに誘われて、仲間ができた。“ビッグダディの三女”だけでなく“QQの林下詩美”という顔ができた。そのことでどれだけ救われたか。もしスターダムがユニット主体でなかったら、もしQQに入っていなかったら「今までやってこれたかどうか分からないです」。
今は「新しい林下詩美が見せられる時期」だ。その根底にはQQへの想いがある。
「新体制のQQだからこそ、チームでベルトがほしいです。私はQQに育ててもらった。もらった愛は愛で返したいので」
チームプレイヤー林下詩美、ときどき中野ぅたみ。“女王”ではない今を満喫できているから、魅力も落ちないのだろう。
(撮影=杉山拓也)
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