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格闘技PRESSBACK NUMBER
「愚民から集金し、将来的には…」女児救出で話題のグレート-O-カーンが明かした“壮大な野望”「本妻は画面から出てこないんだけれども…」
text by
原壮史Masashi Hara
photograph byMasashi Hara
posted2022/04/30 17:02
「パンケーキ食うか?」と救出した女児を気遣う“神対応”も話題に。取材陣にもパンケーキを恵んでくれた
「正直、余はAEWを全く見とらんのでな。MJFが誰か、どんな奴か、全く知らんのだよ。向こうが余の名前を出したから、因縁を作ってやろうと思っての。それだけじゃよ。あやつ、『俺が唯一見ないのは新日本プロレス』などと格好つけとるようじゃが、『グレート-O-カーンはクール』と余の名前を出しおった……。見る目あるじゃん。ま、余は本当に見てないけどね、お前のことなんて!」
「必要以上に馴れ合わない」UEの独特な距離感
アメリカではUNITED EMPIREに加入したカイル・フレッチャー、マーク・デイビス、TJP(セオドア・ジェームズ・パーキンス)とも対面した。日本国内では他のメンバーが不在となり、オーカーンが1カ月間ひたすらシングルマッチを戦った“1人エンパイア”の時期もあったが、先の3人にさらにフランシスコ・アキラも加わり、ここにきて8人体制という大所帯になった。
「オージー・オープン(カイル・フレッチャーとマーク・デイビス)は同じイギリスマットで暴れ回っておったからな。余がオスプレイに常々『あいつらをぜひ入れたい』と推薦しておったんじゃ」
新日本プロレス・ロス道場出身のTJPからは、実際に会って「道場ではレスリングで強かった者が優遇され、自分だけ練習させられた」など、新日本への恨みも聞いたという。
ウィル・オスプレイが「ナンバー2である気持ちがお前らにわかるか!?」とオカダ・カズチカのもとを離れたように、UNITED EMPIREのメンバーは、自身の置かれている我慢ならない状況を力で変えてみせる、という思惑をそれぞれ持って集まっているように見える。オーカーンはそんなメンバーを“仲間”ではなく“同盟者”と呼ぶ。
「UNITED EMPIRE(連合帝国)という名前は余がつけたんじゃが、余の考えとしては、連合は“仲間”ではないのじゃ。あくまでも個々の国があり、みなが独立している。UNITED EMPIREとしての目的、というのはないのだよ。各々が好きに目的を達成する。だから、必要以上に馴れ合わない。が、同盟を結んでいるから協力は惜しまない。セコンドには毎回つくし、処刑(試合)後には毎回同盟者の名前を言う。どこよりも結束は強いだろうが、仮に戦うことがあったら、どこよりも凄惨なものになるだろうな」
毎回セコンドについていながら、決して試合の邪魔をしようとしないその姿は、観ている者に好感を抱かせる。しかしあくまでもヒールであることを強調するオーカーンは、その見立てを即座に否定した。