偉大なる支配者の野望「愚民から集金し、将来的には…」

　ただし、ベルトはひとつの通過点ではあるという。「表面上しか見ることができない愚民には、ベルトというわかりやすいアクセサリーで強さを示してやらねばならんのでな」とため息を漏らしたオーカーンは、その先にある目標を明かした。

「新日本プロレスの価値をさらに高め、愚民をいっぱい呼んで集金する。そこから職権乱用して、将来的にはアニメ関係の仕事で食っていく。そっちの方が目標だな」

　呆気にとられる取材陣をよそに、オーカーンは意気揚々と話を進めた。

「ま、余は十種目以上の格闘技を支配してきたんだ。ベルトも支配するに決まっておろう」

　本人によると「イギリス時代（2018年）以前の記憶がない」らしいが、十種目以上というのは、いつごろからどんな格闘技を……？

「……なぜか技術が体に染みついておるのじゃ。余の王宮にはメダルという証拠もある。いや、もしかしたら、どこぞからかっぱらってきたものかもしれんが……」

パンケーキを食べながらインタビューに応じるオーカーン

　生粋の“オタク”としても知られるオーカーンだが、フィギュアや漫画、ゲーム、アニメのコレクションも、気が付いた時には既に王宮に置いてあったそうだ。

「たとえば『スクールランブル』じゃな。主人公の塚本天満の妹、八雲（CV：能登麻美子）が好きでのう……。そういえば、カレリンというあだ名の女の子（一条かれん）もおったな。今ならばその意味がわかる」

　記憶を失った話と食い違う「今ならば」という言葉に違和感を覚えつつも、「最近ではどのようなものがお好きですか？」と質問してみた。

「イチオシは『新妹魔王の契約者（テスタメント）』じゃな。ハーレムものなんじゃが、ハーレムをちゃんとハーレムで終わらせたのじゃ。大抵は1人を選ぶものだが、全員とちゃんと結ばれた。しかも、大体そういう作品だとキャラクターごとの個性を出そうとしすぎて合わないやつも出てくるんだが、これは珍しく全キャラクターを好きになった」

　取材陣が作品の詳細を調べるなか、オーカーンはゾーンに入っていった。

「なにせお色気シーンがな……。アンダー18には刺激が強すぎるよアレは、うん……。ハッ！　うむ、まぁ、英雄色を好むと言うしな……」

　やはり偉大なる支配者ともなると、実生活でも好色漢という側面があるものなのだろうか。

「本妻は画面から一切出てこないが、側室はたくさんおるからな！　決して見栄を張っているワケではないぞ！　おっと、ここは週刊文春もあったな……。いつ裏切られるかわからんが、まあよい。余はSNSでも常々そう言っておるからな。曲げはせん。まあ、何度も言うように本妻は画面から出てこないんだけれども……」

　その後も「本妻」にまつわる熱いトークは続いたが、紙幅の都合上、大変恐縮ながら割愛させていただきたい。＜後編へ続く＞