「まさか日本のチームが自分を知っていてオファーを受けるなんて夢にも思わなかった。嬉しかったし、家族も喜んでくれた。日本の選手はすごく親切で、リスペクトできる選手も多い。球場も素晴らしいし、日本で野球を学ぶのも大切だと思った」

　また、メキシカン・リーグとしても、若手のプロスペクトがメジャーでなく日本の球団と契約を結ぶのは今回が初めてだったとも伝えられている。

ドミニカからは野手2人、投手1人…抜群の身体能力

　一方でドミニカ共和国出身の3人はプロ未経験。続いて紹介するのは野手の17歳コンビだ。いずれも大砲タイプではなく、俊足巧打で守備にも自信があるという。ヘラルディーノは右投両打の内野手。シモンは右投右打の外野手。シモンはとにかくひょうきん者で、毎朝のチーム集合時には選手だけでなくチームスタッフ全員ともグータッチをするのがお決まりだ。全力プレーがモットーのようで、内野ゴロで一塁を駆け抜けると毎度そのまま右翼ポール下のフェンスぎりぎりまで駆け抜けていくのが特徴。ヘラルディーノについてはしばらくリハビリ組におりプレーを見ることは出来ていないが、両選手とも、とにかく身体能力が高いとの評判を聞く。同じドミニカ出身で若くして日本球界を経験したアルフォンソ・ソリアーノ（元広島、ヤンキースなど）のようなビッグスターになれる可能性を秘めているようだ。

右投右打の外野手・シモン ©Kotaro Tajiri

　そして、右腕のフェリックスは典型的なパワーピッチャーである。22日の三軍交流戦（vs徳島インディゴソックス／四国アイランドリーグplus）では最速157キロをマークした。18歳までは遊撃手だったといい、底なしのポテンシャルを秘めている。「暖かくなればもっとスピードは出る。100マイル（約161キロ）はアピールになるから出したいね」と自信満々に語った。

22歳右腕のマイロン・フェリックス ©Kotaro Tajiri

キューバ勢→メキシコやドミニカに注目の理由

　ホークスの三笠杉彦GMは獲得経緯について、このように話す。

「従前より我々は世界中から有望な選手を集めて、強いチームを作りたいというコンセプトのもとでやっています。ホークスの土壌の上で若く有望な選手を育てていくという中で、今回の4名については新たなチャレンジとなります」

　確かに、ホークスはこれまでも将来性を見越してプロスペクトの外国人選手を獲得してきた。

　その代表例といえば、2019年5月に獲得が発表されたカーター・スチュワート・ジュニアだろう。米大リーグ・ブレーブスのドラフト1巡目指名を受けながら入団せずに来日を決め、日米球界に衝撃を与えた。

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