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17歳メキシコ人左腕の衝撃…ソフトバンクが前例なき“青田買い”に踏み切れたワケ「週に2回、日本語授業を受けて…」
posted2022/05/03 11:04
text by
田尻耕太郎Kotaro Tajiri
photograph by
Kotaro Tajiri
これは「第2のモイネロ」か。あるいは、それ以上の逸材か。
溢れんばかりの才能に思わず見入ってしまった。4月24日、ホークスのファーム本拠地・タマホームスタジアム筑後で行われた三軍の練習試合(vs火の国サラマンダーズ/ヤマエ久野九州アジアリーグ)。9回表のマウンドへ上がったのは、メキシコ人左腕のアレクサンダー・アルメンタだった。
ホークス獲得“17歳メキシコ人左腕”の衝撃
身長185cmで、体重も79kgあるので“本家”のキューバ左腕よりもかなり逞しく映る(モイネロは身長178cm、体重69kg)。堂々と立ち振る舞い、そして投げ込むストレートがとにかく魅力的だった。初球に145キロ、次が147キロ、続いて148キロ。どんどん速くなるし、なにより表示以上の“強さ”が感じられた。
いや、今時150キロに満たない投手で何を騒いでいるのかと、鼻で笑われるかもしれない。
しかし、このアルメンタは2004年6月26日生まれの17歳。つまり「高校3年生」に相当する。もし、今秋のドラフト対象選手ならば、上位候補に名前が挙がるに違いない。
そんな“逸材”は彼だけではない。ホークスは今シーズンいずれも育成枠で、将来有望な外国人選手を計4名獲得した。
内野手のフランケリー・ヘラルディーノと外野手のマルコ・シモンも、アルメンタと同じ「高3世代」の17歳で来日。彼らはドミニカ共和国の出身だ。そしてドミニカ共和国からは22歳右腕のマイロン・フェリックス投手も入団した。
どんな選手たち? アルメンタは“元プロ野球選手”
各選手について紹介する。
まずは先述のアルメンタだ。彼は来日前も「プロ野球選手」だった。昨年6月、16歳にしてメキシカン・リーグでデビュー。2試合に登板し計4イニングを投げ、2安打、2三振、3四球で防御率0.00の実績がある。同リーグではトッププロスペクト級で、当然ながら複数の米大リーグ球団からも興味を示されたが、条件面で勝るホークス入りを選び来日した。