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「すごく愛を感じます」小松原美里が涙で振り返る“ティム・コレトの帰化決断”「恐怖はあったけど、美里がいればどこでもいい」

posted2022/04/22 11:00

 
「すごく愛を感じます」小松原美里が涙で振り返る“ティム・コレトの帰化決断”「恐怖はあったけど、美里がいればどこでもいい」<Number Web> photograph by Asami Enomoto

北京五輪フィギュアスケート・アイスダンス日本代表の小松原美里、小松原尊(ティム・コレト)は、氷上のカップルであるとともに、国際結婚6年目のアスリート夫婦でもある

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荘司結有

荘司結有Yu Shoji

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Asami Enomoto

北京五輪フィギュアスケート・アイスダンス日本代表の小松原美里、小松原尊(ティム・コレト)は、氷上のカップルであるとともに、国際結婚6年目のアスリート夫婦でもある。

初めて手を重ねた瞬間に運命めいたものを感じ、五輪出場を目指してペアを結成したが、国籍変更という大きな壁にぶつかった。アイデンティティに絡む難題を「ティムの日本国籍取得」という答えで乗り越えた二人。4月22日の“よい夫婦の日”にちなみ、二人の馴れ初めや、帰化の決断を振り返ってもらった(全3回の1回目/#2#3へ)。

――お二人は2016年、イタリアでのトライアウトで出会い、カップルを結成しました。お互いの第一印象はいかがでしたか?

小松原美里(以下、美里) 近づいたときの第一印象は「大きいなあ」です。あとは、話をよく聞いてくれる優しい人だと思いました。

小松原尊(以下、尊) なんか恥ずかしいですね(笑)。実は、2015年にもスケートリンクで会っていたんです。当時は別のパートナーと組んでいたので、遠巻きにしか見れませんでしたが、柔らかくてきれいなスケートだなと思っていました。

「どんな将来を考えているのか?」話し尽くした3日間

美里 普通のトライアウトは3日間くらいですが、私たちはお互いに「これが最後」と思っていたので、11日間とっていたんです。でも、ティムの荷物が会場に届かず、最初の3日間は一緒に滑れなくて(笑)。その間に二人で色んな話をしました。

 どんな将来を考えているのか? 好きな選手は? どんな音楽で滑りたいか……。とにかく色んなことを話しましたが、不思議とすべての感覚が合っていたんです。

――初めからフィーリングが合っていたんですね。

美里 二人でタパスに行って、熱い話ばっかりしていました。サングリアを注文したらすごく大きいのがきて、二人とも酔っ払っちゃってたりして(笑)。だからこそ、実際に滑って合わなかったら悲しいなって思っていましたね。

――実際に滑ってみての感触はどうでしたか?

美里 滑り始めた瞬間に「ああ、これは合う」とすぐにわかりました。膝を曲げるタイミングとかで、相性のよさを感じましたね。

【次ページ】 「美里の手を握った瞬間に『いい』と感じた」

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