2021年M-1・全員インタビューBACK NUMBER
「M-1がコワかった」ロングコートダディ、決勝前日に全財産30万円を競馬にぶち込んだ…その結果は?「めっちゃきそうな馬券やったんです」
text by
中村計Kei Nakamura
photograph byShigeki Yamamoto
posted2022/04/17 17:00
結成12年で初の決勝進出を果たしたロングコートダディ。堂前透(32歳、左)と兎(33歳)。吉本興業所属
堂前 決勝前日です。中山の第8レースかな。大阪で、ネットで買いました。
兎 堂前の方がお笑いを知っているぶん、M-1を意識せざるをえなかったんでしょうね。その点、僕はお笑い番組とかほとんど観ずに育ったので。M-1に対する変な思い入れもなく、リラックスしてました。
――リラックスできましたか。
兎 笑神籤(えみくじ)が合っていたんだと思います。
――笑神籤が合っているという人、初めて聞きました。
兎 キングオブコントのときは3番目って事前に順番が決まっていて、1番手が終わって、2番手が終わってと、緊張が積み重なっていく感じがあったんです。でも笑神籤のときは、引かれる瞬間はドキドキしますが、自分じゃないと、そこで1回緊張から解放される。なので、緊張がたまっていかないんです。7番で自分たちの名前が出たときも、もうやるしかない、って。
――6番手のオズワルドが大爆笑をさらって、高得点を出した直後でしたが、それは気になりませんでしたか。
兎 なんも思ってなかったですね。
堂前 (オズワルドのネタを)見てなかったような気がするな。
兎 キングオブコントのときは僕の方がガチガチでしたけど、M-1のときは堂前の方が緊張してましたね。「(ステージに)出ていくときに背中押して欲しい」って言ったもんな。え?って思いましたけど。
――どのタイミングで「背中を押して欲しい」と言ったのですか。
兎 せり上がりに乗ったときかな。
堂前 なんか、人に触れられたかったんですよね。そこから、エネルギーが少し入ってくる気がして。
兎 わかるわ、それ。堂前が僕の背中も押し返してくれたんですけど、1歩目、めちゃくちゃ気持ちよかったもん。
――堂前さんがそこまで上がっていたというのは意外な気もします。
堂前 M-1決勝というのが、それくらい僕の中でデカかったんやと思います。まあ、単純に人に触れられるのが好きというのもあったんですけど。マッサージしてもらうのとか好きなんで。
兎 意味が違うやろ。マッサージとは。
<#2、#3へ続く>
(写真=山元茂樹)
記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。