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端正な「西の将棋王子」は料理好き+扇子の柄に注目? 実力派・斎藤慎太郎八段(28)の素顔〈渡辺明名人に2期連続挑戦〉
text by
田丸昇Noboru Tamaru
photograph by日本将棋連盟
posted2022/04/09 17:02
第80期名人戦第1局に臨んだ渡辺明名人(左)と斎藤慎太郎八段
渡辺は優位を拡大していった。斎藤は反撃に出たが効果はなく、仕方なく中段に玉を上げて「入玉」を目指したが、渡辺の確実な寄せに逃げ切れなかった。4月7日17時59分。渡辺が107手で勝った。
7日の午後に対局場で開かれた大盤解説会には、事前に申し込んだ100人が参加した。そのうち8割以上が女性だった。多くが斎藤ファンのようだが、彼女らの応援は実らなかった。
「魔王」らしい強さを見せた名人に対してどう戦うか
渡辺名人は今年の王将戦で、藤井四冠に4連敗を喫して王将位を失った。しかし棋王戦で永瀬王座を3勝1敗で下し、10連覇を達成した。棋聖戦では準決勝に進出し、藤井棋聖への再挑戦を目指している。
渡辺には最強という意味で「魔王」の異名がある。この名人戦第1局の戦いぶりは、本来の強さと最近の充実ぶりを感じさせる見事な内容だった。
斎藤は名人戦第1局で、6筋の角の利きで相手の1筋の香を取りにいく構想がまずく、実力を発揮できずに完敗した。ただ逆転負けよりはダメージが浅い。第2局(4月19日、20日)は先手番なので、作戦面で自分のペースに持ち込みやすい。しっかりと準備して臨んでほしい。
持参する扇子は、前述の「蛙」の絵柄にするのだろうか……。
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