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“長いディナー”が英語の上達に役立った? 高橋藍20歳が4カ月のイタリア生活で痛感したこと「石川選手のように、道を切り拓いていく存在に」
text by
高橋藍Ran Takahashi
photograph byPallavolo Padova
posted2022/04/08 11:03
プレー以外でもたくさんの刺激をもらったとイタリア生活を振り返った高橋藍(20歳)。この経験を日本代表に還元していく
そもそもイタリアへ来る前は、イタリア語どころか英語もほとんど話せませんでした。でもパドヴァ大学の教授に英語を習う環境を用意していただき、それなりの日常会話はできるようになりました。
ただ、まだまだわからないことばかり。耳を慣らすために、海外のコメディを英語で見たり、間違えても積極的に英語で話す努力もしました。チームメイトと食事に行くことも、コミュニケーションを図るだけでなく、僕にとっては語学を勉強する場でした。
イタリアでは、基本的に食事が出てくるタイミングもゆっくりで、食べる人も長い時間をかけてまるでパーティーのように食事を楽しむのが基本です。試合後のディナーに出かけても3時間以上かけるのも普通で、身体の疲れもあって「しんどいな」と思うこともありましたが(笑)、英語を話し、耳を慣らす貴重な時間でした。
日本で勉強していた英語と、現地で発し、聞く英語は全然違う。もっと語学力をつけなければならないということも含めて、多くの学びを得ることができました。
「自分はこうしたい」意志を持つことの大切さ
年齢も近く、日本のアニメが好きだったり、チームメイトは気のいい、親切な選手ばかりでしたが、試合や練習になれば一変します。1つ1つのプレーに対して感情を露わにするし、「もっとこうしたい」「こうしてくれ」と激しく要求します。
周りを気にするばかりでなく、自分に矢印を向け、「こうしたい」とぶつかり合う。それぞれが「個」を確立した世界に触れ、改めて思ったのは“意志”を持つことの大切さでした。
振り返ればこれまでの僕は、いろいろな方々から「こうしたほうがいいんじゃないか」と言われるたび「ハイ」と素直に聞き、取り入れ、実行してきました。それだけ周りの方に恵まれていたというのもありますが、イタリアでさまざまな選手の考えや行動を見る中で、たとえいろいろな意見があっても、それをすべて聞くばかりでなくさまざまな意見を取り入れながら、「自分はこうしたい」「自分の考えはこれだ」と強い意志を持ち続けなければならないと痛感しました。