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“プロレス大賞新人賞”SKE48荒井優希に「足りないもの」とは? 伊藤麻希が語ったリアルな評価「スター性も根性もある。でも…」
posted2022/03/27 17:04
text by
原壮史Masashi Hara
photograph by
Masashi Hara
「あいつは、あいつが思っている以上にめちゃめちゃ強い。スター性もあるし、根性もあるし、あいつはすげーよ。でも、1つだけ足りないものがある。あいつは、素材としてはいいけど、料理人としてはまだまだ。まだまだだ!」
3月19日の両国国技館、荒井優希を相手に王座防衛に成功した伊藤麻希は、そう言い放った。
SKE48の荒井優希が東京女子プロレスのリングでファンに挨拶をしたのは、昨年4月17日の後楽園ホール大会だ。「プロレスファンの方に認めてもらえるかなっていう不安はあるんですけど、振り返ったらみんなに“荒井優希のデビューは成功だった”と口を揃えて言ってもらえるくらい、ここから成長したい」と抱負を語った彼女は、真摯な姿勢でプロレスに取り組み、その年のプロレス大賞新人賞を獲得してみせた。選考委員会から、従来のアイドル兼任レスラーとはいい意味でまったく異なる“本気の姿勢”が支持されたのだ。
AKB48グループのメンバーがプロレスに挑戦し話題となった企画『豆腐プロレス』に“しゃちほこ連合のバブリー荒井”として登場したこともある彼女は、本格プロレスデビュー前の2018年10月10日にDDTのアイアンマンヘビーメタル級王座を獲得。社長の高木三四郎は、荒井のデビュー決定記者会見で「以前はアイドルとして大会に出ていただいた」と当時を振り返りつつ、リング映えするかかと落としに「逸材だ」と確信したと明かした。
「お前はSKE48の荒井優希じゃねえ、プロレスラーだ!」
思い返せば、戴冠からわずか18日後にアイアンマンヘビーメタル級のベルトを荒井から奪っていったのは伊藤麻希だった。
昨年4月の会見で、荒井は「(以前は)圧倒的な力の差でベルトを取られてしまったので、次こそはという気持ちで、技を磨いて力をつけていきたい」と伊藤のことを戦いたい相手に挙げていたが、すぐに再会することになった。
2021年5月4日、荒井は渡辺未詩と組み、伊藤、遠藤有栖とのタッグマッチでプロレスラーとしてデビュー。しかし、ここでも差を見せつけられ、伊藤デラックス(変形テキサスクローバーホールド)で敗れた。