2021年M-1・全員インタビューBACK NUMBER
ダウンタウン松本人志のM-1審査コメント「拍手笑いがせっかくあるのに…」にインディアンスは納得「めっちゃいいヒントもらいました」
text by
中村計Kei Nakamura
photograph byShigeki Yamamoto
posted2022/03/27 17:02
3年連続でM-1決勝進出を果たし、過去最高の3位になったインディアンスの田渕章裕(左、ボケ担当、36歳)ときむ(ツッコミ担当、34歳)
田渕 それまでは、よそ行きになってしまっていた。その点、2021年は普段通りできた。その差だけやと思うんですけどね。技術とかネタは1年でそこまで大きく変わるわけないと思っているので。
きむ 2019年は緊張でガチガチだったし、2020年は直前の敗者復活と決勝1本目で同じネタをしてしまったので「ネタバレしてんちゃうかな?」と心配し過ぎて固くなってしまった。そこへ行くと、今回、初めて平常心で漫才ができた。たぶっちゃんとも、よう目が合ったし。そこが評価につながったんやと思います。
――2019年に話をうかがった際、いちばん記憶に残ったのは、「M-1とは結局ところ、いかに“普段通りできるかグランプリ”なんだ」というセリフでした。そういう意味では、つまり、大会を制したわけですね。
田渕 ほぼほぼ普段通りできましたね。
きむ ほんま、「普段通りできるかグランプリ」なら優勝してたんちゃいますか。
田渕 きむは、めっちゃ自信つけてきましたね。M-1で結果を出すと、こんなに芸人って変わるんや、ってびっくりしますもん。漫才中の振る舞いが堂々としてきた。アドリブに対する対応とか、めっちゃ余裕出てきたよな。
きむ 前までは(アドリブを)受けるばっかりやったんですけど、最近はツッコミ返して、たぶっちゃんを笑かしたいなというところも出てきましたね。
――以前は、アドリブを入れられると、少しドキリとしていたのですか。
きむ 耳とか赤くなってましたね。
田渕 今も耳は赤くなる。僕のボケがアドリブかどうかは、きむの耳を見ればわかる。
きむ 耳は赤くなっても、気持ち的には、だいぶ改善されましたよ。スベっても、それを楽しめるようになってきましたから。
田渕 アドリブなんて、ほとんどスベりますから。
きむ 以前なら、それが嫌でパパパッと先に進めようとしてたんです。でも、今は「今の、おもろいのにな」ってわざとそこで留まったりする。
松本さんのヒント「拍手笑いがせっかくあるので」
――今回の決勝でもアドリブはいくつか入っていたのですか。