せめる。　基本、ずっとこれで。実際、アニメ好きですし。

まもる。　僕は金髪に染めたぐらいですね。

――2年前、M-1予選で初めて2人のネタを見たときは私も衝撃を受けました。審査員のオール巨人さんが「言葉の殴り合い」と表現していましたが、まさにそんな感じで。しかも、ずぼずぼハマっていく。

せめる。　ただ、あのシステムを思いついてからが大変でしたね。表現をずっと考え続けないといけないので。フレーズ地獄です。そこは永遠に終わりがない。順番も含めて、何回も入れ替えてますから。えげつないくらい。

公園で“365日ネタ合わせ”

――365日、ネタ合わせをしているというのは本当なんですか？

まもる。　やってましたね。公園で。

こちらがまもる。

せめる。　雨の日は橋の下で。

――青春ドラマみたいですね。カラオケボックスを借りたりはしないのですか。

せめる。　お金かかるんで。

まもる。　劇場とかでもしないです。人前やと、でけへん。

せめる。　部屋があったかいのも嫌なんですよ。頭が働かないような気がして。

――どれくらいの時間やるものなのですか。

こちらがせめる。

せめる。　1時間ぐらいです。どんだけ長くても1時間ちょっとかな。それだけやっても新しいフレーズが出てこなかったら今日は出ない日やなと思って帰ります。

――M-1ファイナリストになったことで、劇場の出番表でももの名前を見かける機会が一気に増えましたね。

まもる。　ひと月、60ステージくらいになったんかな。去年の10倍ぐらい舞台に立たせてもらっています。

せめる。　M-1決勝が決まった直後は、M-1用に持ち時間5分でやらせてもらっていたんですけど、今は、10分とかもらえるようになって。でも、この前、祇園花月で初めて10分やらせてもらったとき、2分くらい自己紹介したあと、8分間、顔ネタの応酬をやったんです。40回ぐらいやり合ったのに、ひと笑いも起きなくて……。

まもる。　お客さんが、もうええって。しんどそうやったな。俺らもしんどかったけど。

せめる。　やっぱりM-1用というか、短距離用のネタやねん。

まもる。　40個はやり過ぎやな。今後、持ち時間が10分あるときは、やり方を考えんとあかん。

最終目標「いとこい師匠みたいになりたい」

――ここ数年、M-1戦線は、すっかり「東高西低」になってしまった感じがあります。やはり漫才の本場は大阪ですから。その点は、少しさみしい気もします。

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