まもる。　僕は今、関西勢の底上げ大作戦を考えているところです。そっちの方がお笑い界も盛り上がると思うんで。かといって、何をやればいいのかはまだわからないんですけど。でも近い将来、何かしかけていきたいとは思ってます。

――でしたら、大阪にずっと残るのですか。

まもる。　僕は最初から言ってますもん。大阪でやり続ける。最終目標があるんで。M-1も通過点ですから。

せめる。　最終目標は、上方漫才大賞です。

まもる。　そんで、漫才師として大阪市の指定無形文化財になりたい。いとこい（夢路いとし・喜味こいし）師匠みたいに。

夢路いとし・喜味こいし（左）。兄弟で1937年～2003年までの間活動。1999年、大阪市が指定無形文化財に指定　©Sankei Shimbun

――「上方漫才の至宝」と呼ばれる大先輩ですよね。いとこい漫才を知っているのですか。

せめる。　NSC（吉本の芸人養成所）の授業で観たとき、僕は衝撃を受けたんで。「交通巡査」っていう、信号無視で捕まった人が事情聴取されるネタなんですけど。「名前は？」「いまいうぞう」「はよいえや！」「いまいゆうぞう！」みたいなやつがあって。今見てもどこか新鮮なんです。そっから、いとこい師匠の漫才を見まくりました。

まもる。　僕は保育園ぐらいのとき、テレビで観た記憶があるんです。ハンバーガーの作り方を教えてもらうネタだったんですけど。汚いパンやなー、って。それが今でも頭に残っているので、よっぽどおもしろかったんやと思います。

――いとこい漫才に惚れた若手が、舞台数を踏んで、どう変わるのか。楽しみになってきました。

せめる。　月6回で5位になれたいうことは、月60回やったら、間違いなく優勝できると思うんやけど。

まもる。　どう考えても「今年、優勝顔」やな。

＜#1、#2から続く＞

（写真＝山元茂樹）