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若手の控室スマホも「受け入れないと…」長谷部誠38歳が“異例の5年契約”にサイン “引退後のポスト保証”でも誰も疑問に思わない理由

posted2022/03/13 11:03

 
若手の控室スマホも「受け入れないと…」長谷部誠38歳が“異例の5年契約”にサイン “引退後のポスト保証”でも誰も疑問に思わない理由<Number Web> photograph by Getty Images

フランクフルトとの契約を2027年まで延長した長谷部。現役にこだわり続ける一方で、指導者としての感覚も少しずつ身に付けているようだ

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中野吉之伴

中野吉之伴Kichinosuke Nakano

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 フランクフルトに所属する38歳の長谷部誠が、2027年までの5年契約にサインをした。そのニュースは、ドイツ国内でも大きな話題となった。

 前回の契約延長時には「金銭交渉はなかった。3年契約にサインしたかったけど、1年で大丈夫」といって地元の報道陣を笑わせていたが、1年後、まさか5年契約にサインすることになるとは、誰が思っただろうか。

現役続行に関しては毎年春先に話し合いを

「(これほど長くフランクフルトでプレーするとは)一度も考えなかった。選手としてもそうだし、そのあとの契約に関しても想像していなかった。これまで僕はクラブのためにいろいろやってきたと思う。でも、別の見方をしたら、僕もクラブから、そしてファンのみなさんからいろんなものをもらってきた。だから僕は、お返ししていきたい。今はまだ選手として、そして引退したら指導者として、あるいはアンバサダーとしても。それは、とても素敵なことだと思う」

 今回の契約延長を受けた記者会見の席で、長谷部はそう心境を口にした。引退後の話も出てきたが、現役続行に関しては毎年春先に話し合いをしながら、決めていっているという。

 長谷部本人はサッカーへの意欲を少しも失っていない。チームにまだまだ必要な戦力で、オリバー・グラスナー監督の評価も変わらず高い。

「マコトは状況認知能力がずば抜けて高い」

『フランクフルターアルゲマイン』紙のラルフ・バイトブレヒト記者は、長谷部のことを「時間に正確、精密さ、完璧さに代表される美徳によって、フランクフルトに欠かせない存在となった」と表現していたが、これはピッチ内外のどちらにも当てはまることだろう。

 例えばプレーにおいて「時間に正確」というのは、遅すぎも早すぎもしないということ。長谷部がパスを送るタイミングを、じっくり見てもらいたい。味方がフリーになった時に送るのではなく、パスを受けたときに次のアクションへ動けるタイミングでスパッと送っていることが多い。まさに「時間に正確」なプレーなのだ。

 グラスナー監督も「マコトは状況認知能力がずば抜けて高い。ピッチのあらゆる場所にギャップを見つけることができる。恐がらずドリブルで中盤に持ち込めるのも大きい」と評価していた。これは言葉で表すほど簡単なことではない。

 というのも、僕らがスタジアムやテレビで見ているのとは違って、選手が体感しているスピードは想像以上に速い。

【次ページ】 「マコトの経験は若手にとって大きな助け」との絶賛

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