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パワハラ告発→騒動の渦中で結婚&出産→崖っぷちからの北京五輪…韓国カーリング“メガネ先輩”の波乱万丈の人生
posted2022/02/21 11:00
text by
キム・ミョンウKim Myung Wook
photograph by
JMPA
トレードマークの眼鏡とキッと相手をにらむような表情。試合中は決して相手に弱みを見せることのないカーリング女子韓国代表の“メガネ先輩”キム・ウンジョン(31)の目から、涙がこぼれていた。
北京五輪のカーリング女子1次リーグ第9戦でスウェーデンに敗れた韓国は、4勝5敗で準決勝進出を逃した。10カ国中、8位という結果にキムは「平昌五輪のときは開催国として出場した。その時は五輪が初めてということで恐れることはなかったが、今回はプレッシャーがあった。もっと結果を残したかった」と涙を流していた。
カーリング女子韓国代表のチーム名は“チーム・キム”。所属する選手全員の「姓」が「キム(金)」だったことに由来している。
2018年平昌五輪に初出場ながら、準決勝でライバルの日本を破り、韓国カーリング史上初の銀メダルを獲得。特に主将でスキップのキム・ウンジョンは、“メガネ先輩”の愛称で日本でも広く知られる存在になった。
眼鏡の下からのぞく鋭い目つきと時折、仁王立ちする姿からあふれ出る貫録。外見のインパクトに加え、“もぐもぐタイム”が話題になった平昌五輪銅メダルの日本(ロコ・ソラーレ)と2度も対戦したことも知名度を高めるきっかけとなった。さらに日本の藤澤五月とは“美女スキップ対決”と比較されたりもした。
「ヨンミー、ヨンミヤー」が流行語に
韓国に戻った後は連日メディアに引っ張りだこ。キム・ウンジョンがストーンを投げたあと、スイープする高校の友人のキム・ヨンミに「ヨンミー、ヨンミヤー!」と叫ぶ声が韓国内では一時、流行語にもなった。
ただ、注目度が高まると決していいことばかりではない。今までは表に出てこなかった話題が浮上する。「パワハラ問題」だ。