2021年M-1・全員インタビューBACK NUMBER
M-1スタッフから「それはダメです」最下位ランジャタイが明かす、“事前にNGが出たボケ”とは?「オール巨人さんのパネルはOKでしたが…」
text by
中村計Kei Nakamura
photograph byHirofumi Kamaya
posted2022/02/20 17:01
結成14年でM-1決勝初出場となったランジャタイ。国崎和也(ボケ担当、右)と伊藤幸司(ツッコミ担当)。サンドウィッチマンらと同じグレープカンパニー所属
国崎 決勝の前に、M-1のスタッフが事務所まできてくれて、セットのつくりを教えてくれたんです。そのときに、せり上がりが回転すると聞いたので、回転したら後ろを向いちゃった、っていうボケができるな、と。でも、聞いたら、それはダメですと言われて。それがNGなら、オール巨人さんのパネルもダメだろうなと。去年、マヂカルラブリーの野田(クリスタル)さんが、せり上がりで土下座をして出てきたじゃないですか。たぶん、今年はせり上がりだけはちゃんとやろうということになったんだと思います。
――ああ。おそらくは、野田さんのボケが物議を醸したのでしょうね。でも、暫定ボックスなら、やっていいと。
伊藤 はい、確認はしていました。ゲリラではなく。
国崎 絶対、どこかでやりたかったんですよ。でも、もう楽屋に戻るわけにはいかないから……とあきらめかけていたんです。そうしたらマネージャーが、すっと現れて。『必殺仕事人』みたいな感じで。マネージャーが気を回して「これ、使います? 巨人師匠」と持ってきてくれたんです。おー、いた!ってなって。
オール巨人さんに送った「おかき」
――オール巨人さんの等身大パネルを出すというボケ自体は、以前から、やっていたんですよね。それをM-1でも披露したことで、巨人さんが、あのボケをやるにあたって「じつは2人が丁寧な手紙とお菓子をくれて……」という話を紹介するタイミングも生まれました。
伊藤 助けていただきましたね。悪いヤツらじゃないんだということを説明していただいて。
国崎 しかも、めちゃくちゃ尺を使ってくれたじゃないですか。あそこ、普通、審査員がしゃべるところじゃないのに。
――巨人さんの好物であるおかきを送ったそうですが、知っていたのですか。
伊藤 調べましたね。
――あれだけ巨人さんのハートをつかんでいた割には、点数は低かった(87点)ですけど。
国崎 そこがおもしろいじゃないですか。やっぱりM-1はガチなんだな、って。
オズワルド伊藤君に言われた「ランジャタイさんは失格です」
――ただ、笑い飯の西田(幸治)さんが、暫定ボックスで小道具を持ち出し始めたら、これからは地獄になると警鐘を鳴らしていました。みんながそこまで下準備をしなくてはならなくなる、と。