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ジュリア率いるドンナ・デル・モンドは「女子プロレス版ロス・インゴ」なのか? ギラギラ感満載の“世界の女たち”が踏み込む刺激の坩堝 

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原壮史

原壮史Masashi Hara

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photograph byMasashi Hara

posted2022/02/05 17:00

ジュリア率いるドンナ・デル・モンドは「女子プロレス版ロス・インゴ」なのか? ギラギラ感満載の“世界の女たち”が踏み込む刺激の坩堝<Number Web> photograph by Masashi Hara

ドンナ・デル・モンドの集合ショット。(前列左より)朱里、なつぽい、ジュリア、(後列左より)ひめか、MIRAI、テクラ、舞華

 ジュリアはというと、ワンダー・オブ・スターダム王座(白いベルト)を獲得し、女子プロレス大賞も受賞。その活躍ぶりはDDM内を大いに刺激し、身内同士でも容赦なく潰し合う激しい試合が繰り広げられた。その激しさは、DDM推しではなかったファンをも惹きつけるものだった。

 8月9日、ひめかがスターダム参戦以来シングル無敗だったジュリアに勝利すると、2人は10月にジュリアが持つ白いベルトを賭けて再び激突。ジュリアが激勝し、これによってDDMというユニットの姿勢がファンに浸透することになった。

 12月20日には大阪でジュリアvs朱里のダブルタイトルマッチが行われ、30分フルタイムドロー。朱里が「最高のパートナーだし、最高のライバル」と言えば、ジュリアは「最強で最高の形」と形容し、DDMの歩みが間違っていないことを確信。2021年がDDMの年になることを予感させた。

「ぶっ飛んでるよ!」激しすぎる同門対決も

 2021年に入ると、ジュリアは3月の日本武道館大会で中野たむと白いベルトと髪を賭けてメインを張った。試合に敗れてベルトと髪を失ったものの、団体の現在の顔として価値は極限まで高まっていた。

 しかし、それは決して天井ではなかった。4月4日には横浜で舞華・ひめかvsジュリア・朱里のタッグ選手権が行われた。この同門対決は、赤いベルト戦と白いベルト戦があるにも関わらず大会のメインを飾り、ジュリア個人ではなくDDMがスターダムの勢いの中心である、と強く印象付けた。

 試合は、王者組である舞ひめから「私らもいつまでもあの2人の背中追いかけ続けていくわけにもいかない」と指名されて挑戦することになったジュリア組が「向こうが超えようとするなら、私たちはさらにその上をいく」と貫録の勝利。ユニット内の刺激の与え合いは加速の一途をたどっていた。

 5月14日にはシンデレラトーナメントで舞華がジュリアに対し「無謀だと思ったけど、ジュリアだったからこそぶつけることができた」とターンバックルへのブレーンバスターという荒業を炸裂。流血したジュリアを最後は場外に蹴落として勝利してみせた(オーバーザトップロープルール)。敗れたジュリアは「ヤバい! ぶっ飛んでるよ!」と自身が最初に引き入れたメンバーからの突き上げを喜んでいる。

【次ページ】 馴れ合いとは無縁の“世界の女たち”

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