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平野美宇の妹・亜子(17)が歩む文武両道…見守る母が発達障害を「隠すことではない」と公にする理由《張本智和の妹と対戦》 

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高樹ミナ

高樹ミナMina Takagi

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photograph byNaoki Nishimura/AFLO SPORT

posted2022/02/02 11:01

平野美宇の妹・亜子(17)が歩む文武両道…見守る母が発達障害を「隠すことではない」と公にする理由《張本智和の妹と対戦》<Number Web> photograph by Naoki Nishimura/AFLO SPORT

コーチである母の話に耳を傾ける平野亜子(17歳)。全日本選手権のジュニア女子シングルスでベスト16入りを果たした

 亜子は全日本選手権を通して自身の力を120%出し切った。特にサーブが効いて、5回戦で対戦した美和も「(平野選手は)いろんな種類のサーブを持っていて、自分のレシーブミスが多かった。サーブが上手いと思った」と目を丸くした。

 亜子本人も自分の出来に満足した様子。実は昨夏のインターハイで緊張と相手のレシーブ強打を恐れ、思い切りサーブを出せなかった反省があったのだ。

 そのためサーブ練習に力を入れ、「3つの的を置いて連続で倒さないと終わらない練習をしてきた。3つめはとても集中するので緊張感のある練習ができた」と強化秘話も披露。

 さらに修学旅行にラケットを持参しボールつきをして、打球の感覚を失わないようにも努めたという。

 こうした日々の積み重ねが全日本選手権での躍進につながった。1回戦の勝利は実に5年ぶりとなる全国大会の勝ち星だった。

 3回戦は相手選手の棄権で不戦勝だったが、5回戦まで勝ち上がりベスト16に入ったのは見事としか言いようがない。

「足りないところを強化して発揮することができて嬉しい」と笑顔の亜子。姉の美宇も「たくさん練習していたので、その成果を出せて良かった。妹の活躍に刺激をもらった」と亜子の大好物のチョコレートケーキを差し入れた。

 そして、亜子と全日本選手権を戦った母・真理子は、「何よりも亜子の笑顔が嬉しかった。もしも文武両道の全日本選手権があったとしたら、ひょっとしてチャンピオンになれるかも!?」と言って笑った。

 国内最高峰の全国大会である全日本選手権には、さまざまな境遇の選手が出場している。そして選手の数だけ知られざる物語がある。それら全てを受け入れるのが、卓球人の憧れである全日本選手権の懐の深さなのだ。

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