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名実ともに日本のエース、福原愛、2年目の中国。 

text by

藤山健二

藤山健二Kenji Fujiyama

PROFILE

posted2006/05/25 00:00

 卓球では世界最高峰のレベルを誇る中国スーパーリーグが今年も5月20日に開幕する。昨年、遼寧省の一員として初めて同リーグに参戦した福原愛は、今季から広東省に移籍した。中国での生活に慣れたこともあり、いっそうの活躍が期待されている。

 4月末に行われた世界選手権団体戦で、日本は金メダルこそ逃したものの3大会連続の銅メダルを獲得。エースとして出場した福原は、練習では絶対に得られない「自信」という大きな収穫を手に帰国し、リーグの開幕を待ちわびている。

 世界選手権での福原は、1次リーグ初戦のロシア戦こそ1勝1敗だったが、2戦目の米国戦からは連戦連勝だった。準決勝の香港戦でも、第1試合で世界ランク12位の林菱に快勝。勢いに乗った日本は第2試合で金沢咲希が逆転負けしたものの、第3試合で福岡春菜が勝って23年ぶりの決勝進出に王手をかけるところまで進んだ。その後連敗したため惜しくも決勝進出はならなかったものの、福原個人の最終成績は8勝2敗。「まだまだ力が足りない」と本人は謙虚だが、成長した姿が目に付いたのは事実だ。得意のバックだけではなく、苦手のフォアでも積極的なプレーを見せ、ミスをしても次のプレーに影響することがほとんどなかった。これまで人気が先行してチーム内で孤立していた時期もあったが、今回は自分のプレーが終わったとたん、結果にかかわらず次の選手に駆け寄ってアドバイスするなど、エースとしての自覚も十分で、名実ともに中心選手になっていた。敵地の中国で毎日のように屈辱を味わわされ、何度も悔し涙を流してきたことは決してムダではなかった。

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