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《62歳に》“日本を勝たせた鬼コーチ”エディー・ジョーンズが「最高のコーチング」をアップデートし続ける理由とは?
posted2022/01/30 11:01
text by
NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph by
REUTERS/AFLO
<名言1>
嫌われても、まったく構いません。ただし、選手から敬意を持たれていないとすれば、それは指導者失格です。
(エディー・ジョーンズ/Number925号 2017年4月13日発売)
◇解説◇
2019年ラグビーW杯で快進撃を見せたラグビー日本代表。その布石となったのが、15年大会での強豪・南アフリカ撃破である。
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ワラビーズのヘッドコーチ(HC)、スプリングボクスのチームアドバイザーとして“世界”を見てきた名将がジャパンを託されたのは2011年12月のこと。そこからエディー・ジョーンズは、日本の選手たちにプレッシャーを与えて鍛え続けた。屈強な男たちですら音を上げる厳しい練習には、反発の声も絶えなかったが、エディーの信念は揺るがない。
「指導者と選手は同じ気持ちをシェアすることができません。絶対にね」
自由と規律を共存させ、自らが孤立することさえ恐れない一貫した指導は、次第にリスペクトを生んでいく。勝利によって、リーダーには「自分を貫く勇気」が必要だということを証明してみせた。
19年W杯前に日本語のレッスン
<名言2>
日本のファンの皆さんが2番目の国としてイングランドを応援してくれたら嬉しいですね
(エディー・ジョーンズ/Number986号 2019年9月12日発売)
◇解説◇
2015年W杯で史上初の“開催国のプール戦敗退”を喫したラグビーの母国イングランド。その再建を託されたエディー・ジョーンズは、4年間にわたって緻密なデータ分析や驚きを与える選手起用、若手育成を軸にチームを強化していった。
その答え合わせの場となったのが、馴染み深い日本で開催された19年W杯だった。エディー・ジョーンズは大会前からイングランド代表の選手とスタッフに日本語のレッスンを受講させ、ジャパンの文化になじめるように尽力した。
「日本食を楽しむというオプションと、慣れ親しんだ英国の食事というオプションの両方を用意する予定です」
遠い島国で行われた短期大会でも持っている力を存分に発揮したイングランド代表は、準決勝では“ターゲット”にしてきたオールブラックスを撃破。決勝こそ南アフリカに敗れたものの、華麗なキック戦術を用いたラグビーは多くのファンを魅了したのだった。