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「オオタニにはあきれてものが言えなかった。だって…」元日ハムの助っ人外国人が目撃した大谷翔平“プロ初キャンプの衝撃”
posted2022/01/30 06:01
text by
ブラッド・レフトンBrad Lefton
photograph by
KYODO
向上心の強い男という第一印象は8年以上が経っても鮮明に残り続けている。
現在は地元米国テキサス州で保険代理店の営業マンを務める元日本ハムファイターズのマイカ・ホフパワーは大谷翔平選手がルーキーとして参加した2013年の名護キャンプを懐かしそうに振り返った。
「入団前からショウヘイオオタニのことは知っていました。チームメイトたちとクラブハウスで高校野球の中継を観ていましたから。すごいポテンシャルなのは分かっていましたが、プロの世界でも投打両方で調整するなんて前例のないことなので正直言って疑問でしたね。もちろんキャンプ中も彼には投打2つのメニューがありましたが、連日それらの過酷なメニューを文句も言わず忠実にやり続けていたんです。何年もプロで生活している選手だってキャンプでの練習はハードに感じるはず。練習から一切手を抜かないところに向上心の強さを感じました」
物凄い打球音にプロ仕様の投球「あきれてものが言えなかった」
このときはホフパワーにとって日ハムでの3回目のキャンプだった。2年前、斎藤佑樹入団でのフィーバーがあったとはいえ、'13年キャンプは更に常識外れの混乱だったと述懐する。
「ハンカチ王子が来た'11年はファンとメディアでいっぱいでした。しかもダルビッシュ有が翌年メジャーに移籍するという噂もあってメジャースカウトも含めて人だらけ。でもオオタニが集めた注目はその数倍でしたよ。そう考えるとショウヘイの平常心の保ち方は凄かったです」
青年とはいえホフパワーはすぐに大谷の実力を感じたという。
「私は稲葉(篤紀)さんらベテランと同じ組で打撃練習をしていたんですが、ある日遠くから凄い音が聞こえてきたんです。『なんだ?』と思ってみんなで見に行ったら、ショウヘイの打球音でした。当時193cm、86kgぐらいの細長い体でこんな音を出していたのでみんな感動しました。その数日後に初めて打者に投げる姿も見たんですが、あきれてものが言えなかったですね。だって数日前にガンガン400フィート(約122m)を飛ばしたヤツがきれいなプロ仕様の球を投げるんですから。18歳どころか大ベテランの雰囲気でした。グラウンド外では愛嬌のある青年でしたけどね」