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“三沢光晴超え”なるか? 三冠ヘビー級王座を奪還した宮原健斗が流血必至の防衛戦へ「全日本の50周年はオレが引っ張る」 

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原悦生

原悦生Essei Hara

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posted2022/01/27 11:01

“三沢光晴超え”なるか? 三冠ヘビー級王座を奪還した宮原健斗が流血必至の防衛戦へ「全日本の50周年はオレが引っ張る」<Number Web> photograph by Essei Hara

2020年3月に陥落して以来、1年10カ月ぶりに三冠ヘビー級王座のベルトを巻いた宮原健斗。故・三沢光晴が持つ21回の通算防衛記録まであと1と迫っている

 宮原はベルトを背負う大役を歓迎した。

「このベルトは重いなあ。でも、オレがやらなくて誰がやるんだっていう気持ちがある。レスラーなら声をあげろよ。キャリア、実績なんか関係ない。若手だろうがベテランだろうが関係ない。声をあげろよ。会社によって敷かれたレールじゃなくて、声をあげて、何か自分の道を作るのもありじゃないか。オレがチャンピオンだからね。だれでも挑んで来いよ」

 そんな宮原の前に現れたのがアブドーラ・小林だった。ジェイク・リーとの試合が流れたことにより、小林が「暫定王者」として宮原の前に姿を現した。

「何、暫定王者って。何ですか、暫定って。意味わかんねえ。でも、ファンの中にそんなクエスチョンがあるならオレが晴らしてやりますよ。三冠ベルトは違うよ、ってちょっと教えてやろうと思いますよ。覚悟を持って来いよ、小林」(宮原)

アブドーラ・小林「オレにも王道の血が流れている」

 帰りのエレベーターにたまたま乗り合わせた「暫定王者」の小林は不敵に笑っていた。

「まん防が出て店(アブドーラ・小林酒場)が暇だったんでね。年末年始のSNSの声が私にこんな行動をさせたんですよ。次は暫定王者のオレと4人トーナメントを勝ち抜いた宮原の統一戦ですから。オレがいない3日に決めたトーナメントですから。こっちのフィルターから見たらだれも納得しない。オレがオレがって、ダチョウ倶楽部みたいに決めて。

 王道のイメージっていうと(ジャイアント)馬場さんでしょう。大日本の初期の頃、地方大会でMEN’Sテイオーがよく関本大介にレスリング教えていたんですよ。それをオレは横で見ていた。テイオーは馬場さんから教わっていたらしいんですよ(笑)。オレはその先輩で、さらにグレート小鹿の弟子で、アブドーラ・ザ・ブッチャーの後継者ですから。地べたの地べたですけれども、オレにも王道の血が流れているんですよ(笑)」

 MEN’Sテイオーの話を筆者は知らないが、小林のむちゃくちゃな論理もそれはそれで面白い。

 宮原はそんな小林と2月23日、後楽園ホールで初防衛戦に臨む。前述のように「比較してほしくない」という宮原だが、勝てば、三沢光晴の持つ通算21回の防衛記録に並ぶことになる。相手は小林だから、流血は避けられないだろう。全日本プロレス50周年の行方を占う一戦は、かつてない“地獄血絵巻”になるのか。それとも、宮原が小林を一蹴して力の差を見せつけるのか。

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。

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