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“三沢光晴超え”なるか? 三冠ヘビー級王座を奪還した宮原健斗が流血必至の防衛戦へ「全日本の50周年はオレが引っ張る」

posted2022/01/27 11:01

 
“三沢光晴超え”なるか? 三冠ヘビー級王座を奪還した宮原健斗が流血必至の防衛戦へ「全日本の50周年はオレが引っ張る」<Number Web> photograph by Essei Hara

2020年3月に陥落して以来、1年10カ月ぶりに三冠ヘビー級王座のベルトを巻いた宮原健斗。故・三沢光晴が持つ21回の通算防衛記録まであと1と迫っている

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「なんか初めて巻いたような気がする」と、新王者となった宮原健斗は言った。

 宮原は1月23日、後楽園ホールでのトーナメントによる三冠ヘビー級王座決定戦で、諏訪魔に続いて本田竜輝を倒した。宮原にとって三冠王座は5度目の戴冠だった。2016年2月の初戴冠以来、宮原=三冠王者のイメージがあった。宮原の通算防衛記録20回は、三沢光晴の最多記録21回に迫るものだ。また、連続防衛記録では川田利明の最多10回に並んでいる。

 だが、ここ1年10カ月、宮原は慣れ親しんだはずの三冠ベルトから遠ざかっていた。昨年6月の大田区総合体育館での巴戦による王座決定戦では、ジェイク・リーにベルトを持っていかれた。10月にふたたび大田区でリーに挑んだが、フルタイム時間切れで奪還はならなかった。引き分けという結果でも、リーの勢いが宮原を上回っている印象があった。

ジェイク・リーの王座返上で巡ってきたチャンス

 全日本プロレスは今年10月に旗揚げ50周年を迎える。新年からリングのキャンバスも50周年バージョンに張り替えて、メモリアルイヤーであることを強調している。

 だが、そんな全日本をアクシデントが襲う。昨年12月26日の新木場大会で「本田竜輝 試練の七番勝負」を受けて立った三冠王者リーは本田を沈めたが、試合中に受けたパンチ気味のラリアットで鼻骨と左眼窩内側壁を骨折するという重傷を負い、長期欠場を強いられた。リーは三冠王座を返上した。

 新春の1月2日に予定されていたリーと大日本プロレスのアブドーラ・小林による三冠戦は消滅した。

 全日本プロレスは、急遽トーナメントによる王座決定戦を組んだ。リーを欠場に追い込んだ本田もエントリーし、芦野祥太郎を倒して、決勝で宮原と当たった。

 本田はタックルでパワーを見せたが、宮原の敵ではなかった。ずっと三冠戦のレフェリーを務めている和田京平は、ダウンした本田に何度も「止めるぞ」と声をかけた。

 宮原はリングを降りた本田に「これがオマエの実力だ。どんな方法を選ぼうが、ここから這い上がって来いよ」と激励した。

【次ページ】 久しぶりの戴冠に「体がベルトに巻かれている感じ」

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