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「全日本プロレスに入れなかった男」の逆襲…王者ジェイク・リーを“フォークで血だるま”にしたアブドーラ・小林が三冠戦に挑む

posted2021/12/12 17:02

 
「全日本プロレスに入れなかった男」の逆襲…王者ジェイク・リーを“フォークで血だるま”にしたアブドーラ・小林が三冠戦に挑む<Number Web> photograph by Essei Hara

「大日魂」のタオルを掲げるアブドーラ・小林。師匠アブドーラ・ザ・ブッチャー譲りのダーティーファイトで、三冠のベルトを持ち帰ることができるか

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原悦生

原悦生Essei Hara

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Essei Hara

 17歳の時、プロレスラーになりたかった小林洋輔は各団体に履歴書を送りまくっていた。しかし、ほとんど相手にされなかった。全日本プロレスの渕正信からは「君は小さいから無理だな。180cmになったらまた来なさい」と言われた。

 小林は1995年、グレート小鹿が前年に旗揚げしたばかりの大日本プロレスに加入し、18歳でデビューした。1999年、大日本にアブドーラ・ザ・ブッチャーが参戦するようになると、その付き人になった。そして、ブッチャーと同じように凶器シューズを履き、道着のズボンをはき、小型の和製ブッチャーとして「アブドーラ・小林」を名乗るようになる。

「デスマッチのやり過ぎ」で身長が縮んだ男

 大日本プロレスの名物である「蛍光灯デスマッチ」をはじめとした特異なスタイルのデスマッチに、小林は欠くことのできないキャラクターだ。デスマッチをやり過ぎたせいだろうか、いや、イスで叩かれ過ぎたせいだろうか。175cmあった身長は、いつの間にか数cm縮んでしまったという。

 だが、そんな小林が昨年から全日本プロレスをひっかき回している。昨年は関本大介と、今年はドリュー・パーカーと組んで世界最強タッグを戦った。王道トーナメントでも暴れた。

 12月5日には反則OKのハードコア・タッグマッチで、三冠王者ジェイク・リーをフォーク攻撃で血だるまにした。小林はコーナーからのダイビング・エルボードロップ(バカチンガーエルボー)でリーにピンフォール勝ちした。

 その結果、来年1月2日に後楽園ホールで、小林はリーの三冠王座に挑戦することが決まった。

 これは小林にとっては喜んでいいことだ。学生時代、プロレスラーになりたいとは思っても、まさか三冠王座に挑戦する自分の姿を想像することはなかったはずだ。それが、こうして現実になったのだから。

【次ページ】 流血デスマッチも辞さず…三冠王者リーの覚悟

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