久しぶりの戴冠に「体がベルトに巻かれている感じ」

「50周年イヤー、2022年の初めにこの三冠ベルトを巻いているということは何か大きな意味がある。ベルトを取ったのは当たり前、大事なのはこれから。ジェイク・リーが返上したベルト、理由がケガであれ何であれ、ベルトがオレの腰にあることが現実で、すべてだ。悔しさがあるんだったら、ジェイク・リーは復活して動いてみろよ。その戦いがどうなるか楽しみにしているよ。全日本プロレス50周年イヤーはオレが引っ張るから。オレが中心で“最高”を叫び続けるよ」

　ベルトから離れて2年弱、その感触を宮原は少し忘れてしまっていたのかもしれない。しばらくベルトを見つめてから「初めて巻いたような感覚」と宮原は表現した。

「まだフワッとしている。ベルトを巻いているより、体がベルトに巻かれている感じ。これがどうなるかは、このベルトとのこれからの付き合い方によるでしょう」

　ともあれ久しぶりの三冠ベルトを巻いて、宮原はリング上で何度も酔ったように「最高！」を叫び続けた。しかしその日はまだ、ベルトの感触がしっくり来ていないようだった。

試合後、マイクを握りしめて「最高！」と叫び続けた宮原

「過去は過去、今は今。比べる必要はない」

　本人が言うように、理由が何であれ、宮原健斗が三冠王者に返り咲いたことは事実だ。

「2年前と比べられるかもしれないけれど、最多防衛10回を果たした時のオレと比較するつもりはない。過去は過去。新たな宮原イヤーだと思っている 。過去の自分と戦うつもりはない。過去の全日本プロレスとも戦うつもりはない。過去は過去ですばらしいものもあった。今は今ですばらしい。物事は比べる必要がないんですよ。過去は過去を精一杯戦ってきたレスラーがいて、今は今を精一杯戦っているレスラーがいる。それでいいじゃないか。

　全日本プロレスはよく比べられがちだけど、今がすべてという人生をオレは歩みたい。今、戦っているレスラーを見て、ファンの皆さんには今を楽しんでもらえたらいい。50周年イヤーに全日本プロレスはさらなる飛躍を遂げる。その先頭にオレが立つ覚悟ができている」

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