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那須川天心vs武尊に触発? 井上尚弥が井岡一翔にまさかのラブコール…“神の左”山中慎介は「実現すればとてつもない試合に」 

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渋谷淳

渋谷淳Jun Shibuya

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photograph bySankei Shimbun

posted2022/01/22 11:03

那須川天心vs武尊に触発? 井上尚弥が井岡一翔にまさかのラブコール…“神の左”山中慎介は「実現すればとてつもない試合に」<Number Web> photograph by Sankei Shimbun

2016年度のボクシング年間表彰式で乾杯する(左から)井上尚弥、山中慎介、井岡一翔、長谷川穂積。今後、井上と井岡が拳を交えることはあるのだろうか

 さらに井岡の大みそかの防衛戦について問われると、「自分とはボクシングと向き合う気持ちが違うのかなと感じた一戦だった」とコメント。途中から安全運転に徹して判定勝ちした井岡を暗に挑発するような発言もこちらをドキッとさせた。

 なぜ、井上は井岡との対戦を考えるようになったのか。そしてなぜ、それを言葉にして井岡にボールを投げたのだろうか――。

大橋秀行会長「ロマゴンよりも井岡のほうが強い」

 最大の要因はコロナ禍だろう。井上はここ数年、バンタム級4団体統一を第一目標に掲げてきたが、2020年4月に組まれたWBO王者ジョンリール・カシメロ(フィリピン)との3団体統一戦が新型コロナウイルスの感染拡大の影響によって中止になり、その後もベルトをまとめる作業は遅々として進んでいない。この先も4団体統一がすんなり進むという見通しは立っておらず、最近は「統一戦にはそこまでこだわらない」と発言するようになった。

 コロナ禍で思うようなマッチメークが進まない中、井上を奮い立たせてくれるような選手はだれなのか? そしてファンがどうしても見たいと思うカードは何なのか? 考えた末に出てきたのが井岡。「灯台もと暗し」とは、まさにこのことだろう。

 井岡をターゲットの一つにした背景には、井上のプロモーターである大橋秀行会長の強い押しもあるに違いない。大橋会長は2012年に井岡と八重樫東のミニマム級統一戦を実現させ、その後もことあるごとに井岡を絶賛してきた。「ローマン・ゴンサレスよりも井岡のほうが強い」。当時のパウンド・フォー・パウンド(PFP)ランキング1位だったロマゴンよりも井岡を高く評価していたほどだ。

 井上と井岡の実力を評価しているのは大橋会長だけではない。アメリカの老舗ボクシング誌「ザ・リング」はPFPランキングで井上は4位、井岡は9位にランクしている。そもそも階級の垣根を取り払い、全階級の選手を順位付けしたPFPランキングで軽量級の選手がランク入りすること自体が快挙。トップ10入りしている軽量級ボクサーは井上、井岡の他に、井岡がターゲットにしているスーパーフライ級2冠王者のフアン・フランシスコ・エストラーダ(メキシコ)が7位にランクされているだけだ。

【次ページ】 ドリームマッチの実現可能性を検証

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