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那須川天心vs武尊に触発? 井上尚弥が井岡一翔にまさかのラブコール…“神の左”山中慎介は「実現すればとてつもない試合に」
text by
渋谷淳Jun Shibuya
photograph bySankei Shimbun
posted2022/01/22 11:03
2016年度のボクシング年間表彰式で乾杯する(左から)井上尚弥、山中慎介、井岡一翔、長谷川穂積。今後、井上と井岡が拳を交えることはあるのだろうか
“神の左”山中慎介も「歴史に残る。すごく見てみたい」
この贅沢なカードについて、元チャンピオンに意見を求めてみた。WBCバンタム級王座を12度防衛した“神の左”山中慎介さんは現役時代、井上がスーパーフライ級王座の防衛テープを伸ばしているころから、井上との対戦を期待された経験を持つ。
仮に山中さんが具志堅用高氏の世界タイトル連続防衛記録V13に並び、V14をかけた試合になった場合、「具志堅さんの記録更新となれば、それ相応の相手じゃないと周囲は納得しない。V14戦をやるなら相手に井上くんはあるのかな、というのは少しだけ頭にあった」という。しかし、残念ながら山中さんはルイス・ネリに敗れ、井上戦は実現しないまま現役を退いた。
では井上と井岡はあるのか? そう問いかけると山中さんは「まあ、体の大きさが全然違いますからね。難しいかもしれません」と前置きした上で次のように語ってくれた。
「ファンの方も同じだと思いますけど、見たいカードであることは間違いありません。だってPFPランキングのトップ10に入っている2人ですよ。日本人選手が2人もなかなか入らないじゃないですか。それに、もともと実力の高い2人がいい相手と試合をすれば、さらにパフォーマンスは上がると思うんです。そう考えると、井上くんと井岡くんならとてつもない試合、歴史に残るような試合になる可能性が高い。できるものならではありますけど、個人的にはすごく見てみたいですね」
せっかく同じ国内に世界を代表する選手が2人いるのである。この夢対決を「どうせ実現しない」とあきらめるのはあまりにもったいない。今、対戦の機運を高める絶好のチャンスが訪れたと言えるのではないだろうか。
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