日々是バスケBACK NUMBER
ラプターズ渡邊雄太を叱咤激励するバンブリート、出会いは7年前のクリスマス「僕らを苦しめていたやせっぽちのキッド」
posted2021/12/29 11:04
text by
宮地陽子Yoko Miyaji
photograph by
Getty Images
渡邊雄太とフレッド・バンブリートの出会いは、7年前のクリスマスにさかのぼる。
毎年、クリスマス時期にホノルルで行われる大学の招待制ミニトーナメント、ダイヤモンドヘッド・クラシックの決勝戦で、渡邊が所属していた大学、ジョージワシントン大(以下GW)が、当時全米11位にランクされていたバンブリートの大学、ウィチタステイトと対戦し、番狂わせと言われる勝利をあげたときだ。
当時3年生だったバンブリートはウィチタステイトの主力として活躍していたが、この試合では、GWの変則ディフェンスに惑わされたのか、シュートが決まらず、フィールドゴール15本を放って成功はわずか4本、11得点に終わっている。
GWに入ったばかりだった渡邊は、1年生ながら控えから出場し、上級生に交じって奮闘していた。ディフェンスでは1-3-1ゾーンのトップで、手足の長さを生かして動き回り、オフェンスでは試合終盤の逆転3ポイントを決めるなど、10得点、4リバウンドで勝利に大きく貢献した。まだ無名で、まわりについていくのに必死だった渡邊のプレーが、初めてESPNスポーツセンターで取り上げられた、思い出に残る一戦だ。
渡邊「大きく成長できた試合」
後に渡邊は、この試合でNCAAのトップレベル相手に戦えると自信をつけることができ、キャリアのターニングポイントになったと語っている。
「大学1年のときで印象に残っているのは、ハワイでの(ダイヤモンドヘッド・クラシック)決勝戦でウィチタステイトとやって、自分が逆転3Pを決めた試合。当時ウィチタステイトが(全米)10位ぐらい(11位)だったと思うんですけれど、そういう高いランクの相手と試合をすることがなかなかないうえに、ああいう大事な場面で試合に出させてもらって、逆転のシュートを決められたということは、自信につながった。チームも勝つことができて、1年生の中ではひとつのターニングポイントになって、大きく成長できた試合だったと思います」