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有馬記念の“二強”にはまったく同じ「大きな不安」が? 一方「この秋最高の状態」と絶賛の穴馬とは
posted2021/12/25 11:03
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph by
Photostud
秋の盾で古豪を一蹴した3歳馬か。史上初のグランプリ4連覇を狙う女傑か。それとも、大胆な戦術に出る伏兵か。
一年を締めくくるグランプリ、第66回有馬記念(12月26日、中山芝2500m、3歳以上GI)が近づいてきた。
出走馬は、GI馬6頭を含むフルゲートの16頭。
闘志に火をつけたエフフォーリア
中心となるのは、前走の天皇賞・秋で、最強古馬コントレイル、グランアレグリアとの「三強対決」を制したエフフォーリア(牡3歳、父エピファネイア、美浦・鹿戸雄一厩舎)だろう。ファン投票でも歴代最多の26万742票で1位に選出された。
その天皇賞・秋では、すっと中団の前につけ、直線でゴーサインが出ると鋭く反応。3着のグランアレグリアを並ぶ間もなくかわし、追いすがる2着のコントレイルを1馬身突き放す完勝だった。
これで6戦5勝、2着1回。唯一の敗戦は、スタートから出して行き、道中掛かり気味に進んだ日本ダービーだ。負けたとはいっても、最後まで勝ちに行く競馬を貫き、首の上げ下げでわずかに鼻差シャフリヤールに前に出られただけ。まさに「負けて強し」の内容だった。
鹿戸調教師によると、春より大人になって競馬がわかってきたので、掛からなくなってきているという。
中山での強さは、3馬身差で圧勝した皐月賞で証明済み。
また今回も前走時と同じく、前を行く2頭の間を割って伸びる追い切りで闘志に火をつけた。勝てば、祖父のシンボリクリスエス以来、19年ぶりの3歳馬による天皇賞・秋と有馬記念のダブル制覇となる。
クロノジェネシスはグランプリ4連覇なるか?
相手筆頭は、昨年の宝塚記念、有馬記念、そして今年の宝塚記念とグランプリを3連覇しているクロノジェネシス(牝5歳、父バゴ、栗東・斉藤崇史厩舎)だ。
昨年の宝塚記念では、レース史上最大の6馬身差で圧勝。天皇賞・秋ではアーモンドアイの3着に敗れるも、有馬記念を横綱相撲で制し、グランプリを連覇。今年のドバイシーマクラシックでは欧州トップクラスのミシュリフから首差の2着となり、帰国初戦の宝塚記念を2馬身半差で完勝して、史上3頭目のグランプリ3連覇をなし遂げた。