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“兄はサイヤング賞投手”バーランダー弟はなぜ大谷翔平の熱狂的ファンに?「私が不可能だと思ったことを…」「兄ともよく翔平の話をしますよ」
text by
杉浦大介Daisuke Sugiura
photograph byDaisuke Sugiura
posted2021/12/28 17:02
熱狂的な大谷ファンとして有名になった「FOXスポーツ」のアナリスト・ベン・バーランダー氏
タイガースのミゲール・カブレラが通算500号を打つかどうかが注目されていて、実際にカブレラは大谷からウォーニングトラック(外野フェンス際の芝のない箇所)まで届く大飛球を飛ばして期待を持たせてくれました。ただ、最後に今季の中でも最長クラスのホームランを放って、敵地のファンまで興奮させたのは翔平の方でした。それと同時に8回8奪三振1失点と今季ベストに近いピッチングで魅せたんだから、もう言葉がありません。翔平の魅力と凄さが詰まったゲームでした。
なぜ大谷翔平に魅了されたのか?
なぜこれほど翔平に魅了されたか? それには私自身のバックグラウンドが影響しているのだと思います。実は私もカレッジ、マイナーリーグでベースボールをプレーし、カレッジでの最初の2年間は投打両方をやろうとしたんです。ただ、それは非常に難しく、両方とも中途半端な結果しか残せませんでした。見本にすべき選手もいなかったし、どちらにも同じだけの時間をかけて準備するのは本当に難しいことでした。
結局、二刀流は諦めて野手に専念し、おかげで打者としては向上できて、ドラフトで指名を受けました。それから時は流れ、現在、翔平は私が不可能だと思ったことをやり遂げているのです。だからこそ、感情移入してしまうし、彼の成功をとても喜んでいます。
フィールド上で高いパフォーマンスを見せるために、彼が舞台裏でどれだけハードに準備しているかは容易に想像できます。簡単なことではないし、これほどの結果が出たことがハッピー。今季の活躍はメジャーリーグでも永遠に語り継がれていくでしょう。翔平はベースボールを変え、多くの選手たちに新しい希望を与えたんですよ。
日本のファンにとって翔平がどれほど大きな存在か
翔平を頻繁に取り上げることで、私自身が日本メディアから注目されるようにもなりました。少し驚きましたが、気持ちは分かります。翔平にフォーカスしたアメリカ人のメディアはたぶん私が初めてでしたからね。
フィールドでのパフォーマンスの素晴らしさだけでなく、その裏にある彼の膨大な準備について話すように努めてきました。日本のファンにとって翔平がどれほど大きな存在かは理解できましたし、私自身にとっても本当に重要な選手になりました。どれだけの情熱を持って彼を追いかけているか、その活躍にどれだけ感謝しているか、日本のファンもわかってくれたのだと思っています。