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“兄はサイヤング賞投手”バーランダー弟はなぜ大谷翔平の熱狂的ファンに?「私が不可能だと思ったことを…」「兄ともよく翔平の話をしますよ」
posted2021/12/28 17:02
text by
杉浦大介Daisuke Sugiura
photograph by
Daisuke Sugiura
このバーランダー氏の大谷への傾倒ぶりは半端なものではない。ソーシャルメディア上では頻繁に大谷についてコメントし、自身のツイッターのプロフィールに「大谷翔平大好き」と日本語で書き記しているほど。その熱意ゆえに最近では日本メディアへの露出も増えたため、姿を見たことがある人も多いだろう。
バーランダー氏はいったいなぜこれほど大谷に魅せられているのか。今季の活躍を振り返りつつ、“2-way monster(二刀流の怪物)”の魅力を改めてじっくりと語ってもらった。
今季の翔平は“アンビリーバブル”としか形容しようがないシーズンを過ごしましたね。40本塁打以上、26盗塁をマークし、9勝を挙げるなど投手としての成績も素晴らしかった。
後半戦では四球で歩かされることが増えたのは残念でしたが、まともに勝負してもらえていれば、あと15本くらいはホームランを打ったんじゃないでしょうか。1人の選手によるこれほどの活躍は、誰も目の当たりにしたことがなかったはずです。
先日、今季の自分のツイートを振り返っていたときに、3月の時点で“翔平がMVPを獲得するかもしれない”と予言していたことを思い出したんです。投手としては100マイルの速球が投げれて、打者としてもとてつもない能力を備えていることはわかっていました。これまでは健康体でシーズンを過ごせていなかった。開幕前の時点で、焦点は1年を怪我なく過ごせるかどうかだけであり、それさえできればMVPだって十分手が届くと感じていたんです。実際にその通りになりましたね。
今春の翔平は体調が良さそうでしたし、加えてこれまで以上にハッピーに見えました。昨季までの彼は週1度の登板、その前後は休みといったスケジュールをこなすことで不自由さを感じているように見えました。おそらくそれは彼が本当にやりたいことではなかったし、今季のように自由に、自分らしく、楽しみながらプレーすることで、メジャーで最も才能ある選手の能力が解放されたんでしょう。管理しすぎるよりも、今年のやり方の方が力を出せることはすでに証明されたと思います。
熱狂的ファンが選ぶ「今年のベストモーメントは?」
翔平の今季は多くのハイライトに満ちていますが、ベストモーメントを選ぶとすれば、8月18日、デトロイトでのタイガース戦でしょう。投手として8回を投げ切り、打者として40号本塁打を打ったあのゲームです。