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「最終決戦で和牛ではなく、とろサーモンに投票した理由は…」M-1審査員6回の渡辺正行に聞く“大会史上最高の漫才” 

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澤田将太

澤田将太Shota Sawada

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photograph byYuki Suenaga

posted2021/12/18 17:00

「最終決戦で和牛ではなく、とろサーモンに投票した理由は…」M-1審査員6回の渡辺正行に聞く“大会史上最高の漫才”<Number Web> photograph by Yuki Suenaga

M-1グランプリの審査員を過去に6回担当した渡辺正行。関東の芸人にとってはまさに“リーダー”的な存在だ

 一方で、審査員として悩みに悩んだのが2017年大会の最終決戦だという。同大会で、渡辺は勝敗を左右する1票をとろサーモン(4票で優勝、3票の和牛が準優勝)に投じた。

「とろサーモンと和牛の最終決戦は本当に悩みました。和牛の完成度もすごかったし、どっちもウケ過ぎていて、逆に頭ひとつ抜けてこないんですよ。僕が最終的にとろサーモンに票を入れた理由は、新しい笑いにチャレンジしていると感じたからです。最後に驚きをくれたことが決め手になりました」

渡辺主宰『ラ・ママ』から生まれた今年のファイナリスト

 渡辺は、1986年から東京のお笑いを支え続けてきたライブ『ラ・ママ新人コント大会』を主宰。ウッチャンナンチャン、バナナマン、ネプチューン、爆笑問題、さまぁ~ずなど、数え上げればキリがないほどの売れっ子芸人たちを輩出している。そんな渡辺が、今年のM-1で注目しているのは誰なのだろうか?

「今年はすごいですよね。初出場が5組もいて、正統派というよりは飛び道具というか、変わったタイプの漫才師がたくさんいます。どこが跳ねるのか予想がつかないですよ。もちろんどの組もここまで残っているわけで、面白いのは間違いないですけど、やっぱり笑神籤(えみくじ、公平を期すために直前に出番を決めるくじ)次第ですかね。あれは大変ですよ。トップバッターももちろんですけど、緊張感を保ったまま最後まで残る組も相当疲れるんじゃないかな。

 モグライダーは『ラ・ママ』によく出てくれるので気にはなります。ツッコミの芝が、ボケのともしげに本番直前にどのネタをやるか教えるんです。それで焦るともしげに、芝がアドリブでツッコミを入れて笑いを取っちゃうんだからすごいですよね(笑)。今年はちゃんとネタを仕上げたって聞きましたけど、どうなるのか。

 去年のマヂカルラブリーもそうですけど、最近のお客さんは『面白ければなんでもいい』って人が増えている印象です。これはすごく良い傾向で、今年みたいにイロモノが多い大会もきっと盛り上がるんじゃないかな。優勝者も注目ですけど、まだお笑いで飯が食えてない奴らが、なんとかどこかにひっかかってくれたら嬉しいですね」

 前述した通り、渡辺が主宰する『ラ・ママ新人コント大会』は売れっ子芸人を数多く生み出し、東京の笑いの登竜門となっている。インタビュー後編では、『ラ・ママ』経由でM-1ファイナリストとなった芸人について語ってもらう。<後編へ続く>

#2に続く“若林のツッコミが強烈すぎた”オードリーに授けた助言とは? 渡辺正行が明かす「吉本以外の芸人がM-1で苦戦するワケ」

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。

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