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「全日本プロレスに入れなかった男」の逆襲…王者ジェイク・リーを“フォークで血だるま”にしたアブドーラ・小林が三冠戦に挑む 

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原悦生

原悦生Essei Hara

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posted2021/12/12 17:02

「全日本プロレスに入れなかった男」の逆襲…王者ジェイク・リーを“フォークで血だるま”にしたアブドーラ・小林が三冠戦に挑む<Number Web> photograph by Essei Hara

「大日魂」のタオルを掲げるアブドーラ・小林。師匠アブドーラ・ザ・ブッチャー譲りのダーティーファイトで、三冠のベルトを持ち帰ることができるか

「小林洋輔としては感慨深いものがある。アブドーラ・小林としては、なるべくしてなった。この1年の戦いで全日本をひっかき回したんだから。文句ないだろう」(小林)

「オレの負けだ。負けたんだから、1月2日の小林の挑戦は当たり前のこと。文句はない。オレはそれを次につなげる。あれだけ血を流したのはいつ以来だろう。プロレスのリングでああいう姿を見せたのは初めてだ。オレが大の字で、天井のライトをずっと見ていた。小林がマイクをもってアピールしていた。オレ、負けたんだな。オレは素直に認めているよ」(リー)

流血デスマッチも辞さず…三冠王者リーの覚悟

 リーは全日本の「王道」に改革を起こそうとしている。「全日本プロレスを作り直す」というフレーズも使っている。これは「王道」という全日本プロレスの象徴的な言葉に安住を決め込んでいる他のレスラーたちへの警鐘だ。リーは続けた。

「オレから言い出したことだからな。誰がやっているじゃなくて、オレがやっていること。賛否両論出ているとは思うけど、誰の指示でもない。オレの意思でやっている。負けたことはもちろん悔しい。1月2日は、オレが招いたことだ。オレが決めたことだ。文句があるんだったら、全日本プロレスではなくトータルエクリプスでもなく、オレ個人に言ってこい」

 リーは割り切っている。相手の土俵である流血デスマッチ(ハードコア)に自ら足を踏み入れてKOされた。王者なのに小林の控室に殴り込みまでやっている。

「三冠戦と言っても、PWFルール。プロレスルールでしょう。反則は5カウント以内ならOK、場外は10カウント。プロレス26年やっていますから。その辺は得意ですよ。シリーズではタッグで2回あたって、タッグのインサイドワークで1回勝ちましたけど、今度はシングルのインサイドワークを三冠のリングで見せます」(小林)

【次ページ】 「大日本で三冠のベルトをお披露目してやりますよ」

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