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「藤井聡太竜王、王将戦でどんなコスプレさせられるんだろう…」観る将マンガ家が描く《11月の将棋ハイライト》

posted2021/12/03 11:05

 
「藤井聡太竜王、王将戦でどんなコスプレさせられるんだろう…」観る将マンガ家が描く《11月の将棋ハイライト》<Number Web> photograph by Junsei Chida(illustration)/日本将棋連盟

観る将マンガ家・千田先生が描いた「11月の将棋ハイライト」。今年度のイラストは関連記事からもご覧になれます!

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千田純生

千田純生JUNSEI CHIDA

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Junsei Chida(illustration)/日本将棋連盟

2021年度も将棋界は様々な話題にあふれています。そこで夫婦ともども“観る将”になったというマンガ家の千田純生先生に、イラストで「ファン目線での将棋ハイライト」、そして今回は東京・将棋会館の様子を描いてもらいました!(全2回)

(1)藤井聡太竜王+史上最年少四冠の大偉業

 藤井竜王の強さが止まりません。

 11月上旬はJT杯と王将戦挑戦者決定リーグ(以下、挑決L)でそれぞれ永瀬拓矢王座、豊島将之竜王、羽生善治九段にすべて勝利。その勢いのまま、12日の竜王戦第4局も豊島竜王相手に4連勝を飾って19歳での竜王獲得、そして史上最年少四冠を成し遂げました。

 ここまでのタイトル戦勝敗は、17戦14勝……なんという恐るべき勝率……。序列でも1位となり、名実ともにトップオブトップに立ったわけです。先日、中村太地七段の取材に同席させていただく(理由は後編で!)僥倖に恵まれたのですが、中村七段も「異次元のところに到達しつつある」と評していたことが非常に印象に残っています。

 その後も順位戦B級1組8回戦で松尾歩八段に、王将戦挑決Lで近藤誠也七段に勝利し、このまま止まらないのでは……と思わせるほどです。

藤井竜王に対して豊島九段、永瀬王座が雪辱

 ただ――竜王を失冠した豊島九段ら他の棋士も、手をこまねいているわけではありませんでした。豊島九段が意地を見せたのが21日のJT杯日本シリーズ決勝でした。角換わりでの戦型で進んだ対局で、95手で勝利して連覇を達成しました。

 またその3日後の王将戦挑決L最終戦では、永瀬王座が相掛かりからの101手で勝利、すでに藤井竜王の王将戦挑戦は決定していたとはいえ、2人のトップ棋士が見せた戦いぶりにはあらためて感銘を受けました。来たる2022年1月からの王将戦、渡辺明王将(名人、棋王と三冠)がどのような戦いぶりを見せてくれるかに注目したいと思います。

 藤井竜王は12月2日、年内最後となる公式戦である順位戦B級1組9回戦、近藤七段との対局に臨みました。評価値ではやや苦しい展開が続いていたと表示されていたものの、最終的には日付を超える熱戦の末に勝利しました。なおこの対局、ABEMAの解説を務めた森内俊之九段が「数字こそ悪くなっていますが、(近藤七段が)一手も間違えられない局面になっています。その局面まで持ち込んだのが藤井竜王の実力ですね」といった風に解説されていました。さすが名人8期などタイトル計12期を獲得した方の見識だな、と……。

 年末には新設された「SUNTORY 将棋オールスター 東西対抗戦」が控えますが、まずは激闘の疲れを癒して……と思いながらも、きっと大好きな将棋の研究に費やすんでしょうね(笑)。そう想像するだけでも、来年も楽しみで仕方ありません。

【次ページ】 丸太流の佐藤会長、王将戦と言えば“あのコスプレ”

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