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将棋PRESSBACK NUMBER
「藤井聡太竜王、王将戦でどんなコスプレさせられるんだろう…」観る将マンガ家が描く《11月の将棋ハイライト》
text by
千田純生JUNSEI CHIDA
photograph byJunsei Chida(illustration)/日本将棋連盟
posted2021/12/03 11:05
観る将マンガ家・千田先生が描いた「11月の将棋ハイライト」。今年度のイラストは関連記事からもご覧になれます!
(2)11月も女流棋士界がアツかった
女流ABEMAトーナメントのおかげで(妻氏いわく「毎週涙ながらにハマっています」)、女流棋士の戦いぶりも非常に楽しみになっているここ最近ですが……里見香奈四冠、西山朋佳三冠の“2強体制”に風穴を開ける実力者が出てきました。「カトモモさん」こと加藤桃子新清麗です。
第3期清麗戦五番勝負の最終局で、134手の末に勝利し、3年ぶりとなるタイトル復位となりました。過去女流タイトル8期を獲得した経験がある一方で、女流棋士になって以降初となるタイトルでもあります。「お二方には及ばないかと思いますが、一生懸命頑張って追いつけるようにしたいです」という殊勝なコメントを残されたとのこと。その姿に(特にファンの妻氏が)心を打たれています。
その清麗戦で印象に残ったのは……対局はもちろんのこと、第5局の記録係で振り駒(対局前に先手・後手を決める)を担当した竹部さゆり女流四段が、かなり豪快に振っていたことです。清麗戦ブログでは「竹部女流四段は駒を高く振った」と書いてありましたが、相当に高かったです(笑)。その後、ABEMAの中継に出演した鈴木大介九段が「ナイスホームラン」と竹部女流をフォローしたそうで、さすがの神対応でした。
年が明けて2022年1月には、女流名人戦が開幕します。里見四冠の牙城を挑戦者の伊藤沙恵女流三段が崩せるか――ABEMAトーナメントで女流棋士の皆さんが見せる等身大の姿とともに、真剣かつ凛とした対局にしっかりと注目していきたいと思います。
丸太流の佐藤会長、王将戦と言えば“あのコスプレ”
(3)将棋界全体の話と映り込む棋士の話
さて、3枚目は将棋界全体の動向をちょっとリラックスした視点で見ていければと思っています。
まずは24日の棋王戦挑戦者決定トーナメント。将棋連盟会長である佐藤康光九段が、郷田真隆九段に138手で勝利し、勝者組決勝進出を決めました。佐藤九段の銀将が止まらない流れから勝ち切ったわけですが、盤面がぶっ壊れるんじゃないかと思うほどの豪快な「丸太流」でした。
そして先ほども触れた藤井竜王の王将戦挑戦権獲得です。