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《チャンピオンズC》ソダシの“ダート挑戦”は本当に成功するのか? “芝GIホース”がダートに挑んだ「成功例」から分かることとは
text by
平松さとしSatoshi Hiramatsu
photograph byKYODO
posted2021/12/04 06:02
02年のジャパンCダート(現チャンピオンズC)で勝利したイーグルカフェ
“初ダート挑戦”でソダシが勝てる可能性は?
さて、その後、ジャパンCダートはチャンピオンズC(GI)と名を変え、ロケーションも阪神競馬場から中京競馬場へ、距離も1800メートル戦に変わった。
今年は12月5日に第22回として開催される。地方のカジノフォンテン(牡5歳、船橋・山下貴之厩舎)、フェブラリーS(GI)の覇者カフェファラオ(牡4歳、美浦・堀宣行厩舎)、3年前には凱旋門賞(GI)にも出走したクリンチャー(牡7歳、栗東・宮本博厩舎)、前回チャンピオンのチュウワウィザード(牡6歳、栗東・大久保龍志厩舎)など面白いメンバーがエントリーしている中、ダートではまだ勝ち鞍のないエアスピネル(牡8歳、栗東・笹田和秀厩舎)も登録している。イーグルカフェではないが、侮れない存在になるかもしれない。
そして、何と言っても注目されるのがソダシ(牝3歳、栗東・須貝尚介厩舎)だ。デビュー以来ここまで8戦6勝で、勝ち星の中には桜花賞と阪神ジュベナイルフィリーズの2つのGIが含まれている。また、夏には後にブリーダーズCフィリーアンドメアターフ(アメリカ、GI)を優勝するラヴズオンリーユーを破って札幌記念(GII)を制したように実力はピカ一だ。
ただし、その8戦は全て芝のレース。ダートは今回が初めてとなる。それでも管理する須貝調教師に加え、ここまで全8戦でタッグを組んで来た主戦の吉田隼人騎手も口を揃えて「そもそも血統的にはダート馬だと思っていた」と言う。それもそのはず、母のブチコやその姉にあたるユキチャンやマーブルケーキらはいずれもダートで実績を積み重ねた馬。父のクロフネは芝のNHKマイルCも勝ってはいたが、ダート戦ではジャパンCダートを7馬身差で圧勝した他、先出の武蔵野Sは9馬身差での勝利。たった2回のダート戦でいずれも圧倒的なパフォーマンスを披露していた馬だった。
ソダシは皆さんご存知のように白毛馬としては世界で初めてGIを制したと言われている馬。イーグルカフェのように初めてのダートの勝利がこの大舞台になる可能性は充分にあると信じたい。