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Jをめぐる冒険BACK NUMBER
久々の“日本代表アウェイ取材”で驚いたこと…「柴崎、南野、吉田のファンなんだ」と喜ぶ警備員、現地PCR検査や羽田の水際対策は?
text by
飯尾篤史Atsushi Iio
photograph byAtsushi Iio
posted2021/12/02 17:03
オマーン戦の記者席から。試合取材に至るまで様々な驚きの出来事があったという
トレーニングが公開されるのは冒頭の15分だけだから、取材陣が見られるのは、ウォーミングアップや「鳥かご」と呼ばれるボール回し、パス&コントロールぐらいのもの。
練習場の外で待っていると、約1時間半後、トレーニングを終えた選手たちが続々と引き上げてきて、バスに乗り込んでいく。
地元の警備員が柴崎や南野、吉田を呼び止めた理由とは
すると、地元の警備員が柴崎岳を呼び止め、スマホを取り出した。警備担当者が職務中に2ショット撮影をお願いするなんて、日本ではちょっとあり得ない。柴崎はその要望に笑顔で応じた。
南野拓実と吉田麻也にも同様のおねだりをした彼は、撮影に応じてくれそうな選手に声をかけたというわけではない。
「柴崎、南野、吉田のファンなんだ。特に柴崎はファンタスティックで大好きだよ」
リバプールに所属する南野や日本代表歴の長い吉田はまだしも、スペイン2部でプレーする柴崎のファンということは、18年のロシアW杯での活躍を見ていたということだろう。筋金入りのサッカーファンなのかもしれない。
オマーンの守護神がホテルで普通に取材を受けている!
入国3日目、11月15日の昼間は、両チームの監督の前日会見に出かけた。
会場として指定されたのは、我がホテルからタクシーで15分ほどの距離にある「ホルムズ・グランド・マスカット・アラディソン・コレクションホテル」という名の瀟洒な5つ星ホテルだった。どうやらオマーン代表はここに宿泊しているようだ。
試合前日にスタメンを明かすのはブラジル代表くらいのものだし、健闘を誓わない監督もいない。だから、森保一監督も、ブランコ・イバンコビッチ監督も、会見の内容に特筆すべき点はなかった。
会見後にロビーに出ると、オマーン代表の選手がインタビューを受けていた。
ジャージーには18と書かれている。18番と言えば……大阪で行われた初戦で日本代表の前に立ちはだかったGKのファイズ・イッサ・アル・ルシェイディではないか。
日本代表の場合、メディア関係者がチームホテルに立ち寄ることは禁止されているから、なかなか見られない光景だ。
その様子をしばらく眺めていると、オマーンの守護神はピッチ上での険しい表情からは想像もできない照れ笑いを向けてきた。
だから、こちらも満面の笑みを返しておいた。明日はお手柔らかに、と心の中でつぶやきながら。
日本では珍しいドライブスルーPCR検査へ
16日に行われるオマーン戦のキックオフ時間は、20時だった。
その日の昼間、僕とMさんには遂行しなければならない重要なミッションがあった。