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過酷すぎるサハラマラソン「大会後のトマトに感動した」 初出場の女性ランナーが“日本人史上最高の準優勝”を勝ち取るまで
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byTomosuke Imai
posted2021/11/29 11:01
今年10月にサハラマラソンで準優勝した尾藤朋美さん。保育士から転身し、数々の大会で結果を残してきた“異色のランナー”でもある
「辛い時に辛いと思うと一生辛いんですよ。だから、辛い時こそ笑うことを心がけています。あと、今回のサハラマラソンは初めての海外レースで言葉は全然分からなくて、『メルシー』と『ナイスラン』と『イェー!!』でやり過ごしたんです。そうしていたら、海外の選手にめちゃくちゃ笑顔を褒められたんですよ。笑顔は世界共通で、大事なことなんだなって改めて思いましたね」
今回、インタビューをして改めてすごいなと思ったのは、笑顔とともに抜群の行動力だ。自分のやりたいことが明確で行動が素早い。普通は、やりたいと思っても理由をつけてやめたり、なかなか前に進まない中、声を出して、やりたいことを宣言し、それをあとから回収していく。無理だよ、難しいよ、という言葉は耳に入らない。
「サハラで世界一になるって高すぎる目標かもしれない。でも、『優勝するぞ』って言ってできなくても誰かに怒られることはないじゃないですか。とにかくまずは口に出して、そこに向かって全力でいく。私は逃げ道を遮断するためにも言葉にしていきます。言霊ってあると思うし、口に出して言うと叶うって私は信じているので」
座右の銘は「SEIZE YOUR DREAM」
尾藤さんが大事にしている言葉は「SEIZE YOUR DREAM」だ。中学の時の先生が教えてくれたという。
夢を口にして、掴んでいく――。
有言実行の尾藤さんの生き方からは、夢はひとつじゃなく、いくつあってもいい。それをひとつ、ひとつ叶えていけば人生を楽しく、豊かに生きられる。
そんな人生を謳歌するマインドが伝わってくる。
《前編から続く》