プロ野球PRESSBACK NUMBER

古田敦也&中井美穂、石井一久&木佐彩子…90年代~なぜ“女性アナとプロ野球選手”の結婚が増えた?「出会いの場が意外と少ない」 

text by

近藤正高

近藤正高Masataka Kondo

PROFILE

photograph bySankei Shimbun

posted2021/11/22 20:00

古田敦也&中井美穂、石井一久&木佐彩子…90年代~なぜ“女性アナとプロ野球選手”の結婚が増えた?「出会いの場が意外と少ない」<Number Web> photograph by Sankei Shimbun

1995年に結婚した古田敦也(当時ヤクルトスワローズ)と中井美穂

 そこへ来てフジテレビに端を発して「女子アナブーム」が起こる。ただし、これは均等法の影響というよりは、フジテレビの特殊な事情によるところが大きいという。じつは80年代に入るまで同局の女性社員はみな契約社員だった。それを80年代初頭の一連の組織改革で正社員として採用するようになる。さらにアナウンス部の所属も報道局から編成局に移行し、アナウンサーの仕事を報道だけでなくさまざまなジャンルへ広げた。こうして女性アナウンサーたちはバラエティなどにも進出、露出が増えるにしたがい注目を集め、他局もこれに倣うことでブームとなっていったのである。中井美穂に始まる女性アナウンサーの『プロ野球ニュース』への起用も、上記の改革の産物であった。

 なお、中井が『プロ野球ニュース』のキャスターとなったのと同じ1988年には、NHKでも平日夜の『ニュース・TODAY』のスポーツコーナーに契約アナウンサーだった福島敦子が起用されている。イチロー夫人となる福島弓子の姉である。

「出会いの場が少ない」「両者はとても似ている」

 プロ野球選手と女性アナウンサーの夫婦がこれほど多い理由については、前出の木場以外にもさまざまな人が考察している。たとえば、元選手(ヤクルト)でスポーツライター・キャスターの青島健太は、理由の1つとして、双方とも出会いの場が意外と少ないことをあげている(『本の窓』2012年2月号)。

 選手のほうはシーズン中は各地を転戦する日々で、平日の試合はほとんど夜、しかも週末には必ず試合があり、デートする時間はよっぽど要領のよい選手以外はつくれるものではない。アナウンサーのほうも夜のスポーツニュースを担当していれば、選手と同じような日常を送っている。そんな生活を送る両者が、取材や番組出演などを通して知り合って親しくなるのは自然の成り行き……というわけである。

 ただ、青島はこれ以外にも下記のような両者の共通点をあげながら、それゆえに互いに理解しやすい関係だとも指摘している。

《プロ野球選手と女性アナウンサー。両者はとても似ている。共に狭き門を潜り抜け、自分の才能で人気者になっていく。多くの場合それぞれの持ち味と能力を補完し合える関係にある。近年、スポーツ選手のメディアへの露出も増えて、パートナー(女子アナ)の体験やアドバイスは彼らにとって直接的に有効だ。また野球選手も人前で仕事をする彼女たちの才能と苦労をよく知っている》

【次ページ】 都市伝説的な「収入のいいプロ野球選手を女子アナが狙っている」

BACK 1 2 3 NEXT
東京ヤクルトスワローズ
オリックス・バファローズ
古田敦也
イチロー
中井美穂
石井一久
木佐彩子
松坂大輔

プロ野球の前後の記事

ページトップ