「このリーグが始まって、僕がいるチームで天皇杯も勝って、リーグ優勝もしてきた。1試合や2試合やられただけで崩れるようなチームではない。もちろん選手個々に強いところと弱いところがあるので、それをお互いに補い合いながらという話は常にチーム内でもしてきている。ああやってポストプレーをされる場面は今後も出てくると思うので、できるだけ頑張らなきゃいけない部分と、チームの力を借りる部分とでうまく対処しながら、ヘルプし合いながらやっていきたい」

　この「チームの力を借りる」という点で、同じポイントガードとして富樫のバックアップを務める西村文男と藤永佳昭の存在も大きい。西村はゲームコントロールに長け、藤永はディフェンスでチームにエナジーを与えるプレースタイル。それぞれに特徴のある3人を使い分けることでチームのバランスが整っているのは間違いない。

　滋賀戦では西村が富樫と同時にコートに立つ時間も長く、シュートを打たせてもらえない富樫に代わって16得点とシュート力も発揮。苦しめられながらも勝利したのは、西村の働きがものをいった。その西村より先にコートに立つことが多いのが藤永。試合の第1クォーター途中に富樫をベンチに下げる場合、出てくるのは藤永であることがほとんどで、そのしつこいディフェンスがホームアリーナのボルテージを一段上げ、ブースターとの一体感を生んでいる。チームのカギを握るガード陣が三者三様に役割を全うするところが、千葉の強みの一つだ。

エースがワンマンに陥らない強み

「僕が感情的になってしまったりすることもあるんですが、そういう時にアキ（藤永）や文男さんが落ち着いてゲームの流れを戻してくれて、また僕がコートに戻った時にしっかりプレーできるということが多々ある。思い切りよくシュートを打ったりできるのも、バックアップの2人がいるおかげかなと思います」

　チームスポーツであるバスケットボールは、ワンマンチームでは勝つことができない。名実ともにBリーグのトップスターであり、何があってもブレないメンタリティーを持つ富樫の存在が大きいことは確かだが、千葉が決して富樫のワンマンチームでないことは他のチームメートの存在が証明している。

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