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<トップスターのメンタリティ>千葉ジェッツの絶対的エース富樫勇樹が、無得点でも涼しい顔でいられるワケ
posted2021/11/19 11:04
text by
吉川哲彦Akihiko Yoshikawa
photograph by
B.LEAGUE
少々大げさな表現かもしれないが、Bリーグ界隈で最近話題になった“事件”の一つに、富樫勇樹の無得点というのがある。
11月7日に千葉ジェッツのホーム、船橋アリーナで滋賀レイクスターズがボックスワンディフェンスを仕掛け、富樫を孤立させたという出来事だ。Bリーグの過去5シーズン全てで1試合平均2ケタ得点を挙げてきた富樫は、この試合で3本しかシュートを放つことができなかった。その5シーズンで計267試合に出場して無得点は6度しかなかっただけに、多くの人に驚きをもって受け止められたことは確か。
最終的にチームは6点差で勝利することができたのだが、滋賀側から見れば、スペイン代表アシスタントコーチとして今夏の東京オリンピックにも参加したルイス・ギルヘッドコーチの面目躍如といったところだろう。
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“事件”はこれで終わらなかった。続く同10日のレバンガ北海道戦で富樫は3ポイントを11本打ったが、第1クォーター残り5分19秒に打った2本目を決めた後は9本連続で失敗。2ポイントも第2クォーターに1本決めただけで、後半は無得点だった。
結果、千葉は第1クォーターで33-13というジャンプスタートを切りながら、その後接戦に持ち込まれて最後は1点差で敗れている。チームの勝敗を背負うエースの宿命とはいえ、富樫にとっては厳しい現実だったはずだ。
エースの宿命とブレない強さ
ただ、そんな自身の出来を良い意味で意に介さないのが、富樫がBリーグを代表する選手たる所以。同13日の新潟アルビレックスBB戦はチームが序盤から終始優位を保ったこともあり、今シーズン2番目に少ない21分2秒のプレータイムで8得点止まりだったが、前半に11点リードを許した翌14日の同カードは29分3秒コートに立って17得点をマークし、新潟戦の連勝に貢献した。望ましくない結果を引きずることなく、すぐに通常運転に戻せるところが富樫の強さだ。