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“ミランのレジェンド” シェフチェンコはなぜアメリカ資本のジェノア新監督に就任したのか?<今季1勝、問題山積の古豪> 

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弓削高志

弓削高志Takashi Yuge

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posted2021/11/17 17:00

“ミランのレジェンド” シェフチェンコはなぜアメリカ資本のジェノア新監督に就任したのか?<今季1勝、問題山積の古豪><Number Web> photograph by Getty Images

低迷するジェノアの監督に就任したシェフチェンコ。ウクライナのレジェンドは「来シーズンもセリエAを戦うこと」を目標に掲げる

 抜群のネームバリューを持つ新指揮官だが、クラブチームでの采配は初挑戦という経験不足は泣きどころ。だが、ミラン時代からの長い付き合いでウクライナ代表でも副監督を務めた百戦錬磨の名参謀マウロ・タソッティの存在が何より頼もしい。

 監督としてセリエAに戻ってきたシェフチェンコには、かつての指導者や同僚たちからエールが届く。

恩師ザッケローニもエールを送る

 若き日のウクライナ人ストライカーをイタリアで初めて指導して、2000年には得点王を獲らせたのがアルベルト・ザッケローニだった。

「シェフチェンコは最初から選手たちに気持ちよく練習してもらうよう腐心するだろうと私は確信している。代表監督の経験で多くのことを学んだだろうし、彼は仕事に対しては謙虚で正確そのものだ。少なくとも最初は(戦術優先ではなく)選手第一に進めるのではないかな。彼はいい仕事をするはずだよ」

 2003年のCL決勝でもう1人の主役だった守護神ヂダは、18年経った今、ミランの後輩を指導するGKコーチだ。

「アンドリーとはミランでたくさんの思い出を共有した。セリエAのグラウンドでまた会えるなんて、とても嬉しい。今、我々は別々のチームでライバル同士になってしまったけれど、対戦するときに再会のハグができることを心から楽しみにしている」

 すべてが変わる。新しく始まる。

 古豪は栄光を再び取り戻せるのか。かつての名ストライカーは、期待と重圧を結果へと変えられるのか。

「ザッケローニ、アンチェロッティ、チェーザレ・マルディーニ……私は3人の監督から最高の教えを受けてきました。セリエAで監督をするために今まで準備してきましたし、チャンスに備えてきました。今後やるべきことはたくさんあります。しかし、恐れるものはありません」

 新指揮官シェフチェンコは代表ウィーク明けの11月21日、ホーム「フェラーリス」でのローマ戦で初陣に臨む。

 愛する古巣ミランとのセンチメンタル・マッチは、12月1日だ。

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