心の奥底に、自分が決めてみたいという思いはあった。小田と同じように代走や守備固めを任されている山足達也とよく、「ワンチャンス、あるかもしれないね」と話していた。

「そう言ってないと、保てない、というのがありましたから」

　その小田が、究極の場面で巡ってきたワンチャンスをド派手にものにした。

「ちょっと晴れた気はしますね。やっとチームの輪に入れた感じはあります。一生言えますね」と笑った。

　サヨナラドローとなるホームを踏んだのは、T-岡田の代走に出ていた山足だった。快足を飛ばしてホームを駆け抜けた山足は、そのままの勢いで小田に一番に抱きついた。

小田に飛びつく山足らオリックスナイン　©KYODO

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「全員で勝つ！！」というチームスローガンの通りに、脇役だった選手が、25年ぶりの日本シリーズ進出を決めた。

　レギュラーシーズン最終戦の9回に二塁ランナーとしてツーランスクイズを決めた後藤駿太もしかり。山足や佐野皓大といった終盤を任されてきたスペシャリストたちは、「次はオレも」と意気込んでいるだろう。

　日本シリーズでは、果たしてどんな“伝説”が生まれるだろうか。