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熱狂とカオス!魅惑の南米直送便BACK NUMBER
「日本はW杯に出て当然」の認識は正しいのか… 恵まれすぎな《アジア4.5枠》と、本大会での“残酷なまでの各大陸の実績格差”
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph byNaoya Sanuki
posted2021/11/11 17:03
本大会で決勝T進出した南アフリカW杯予選はグループ2位での通過だった。ただこれは「4.5」というアジア枠の恩恵とも言える
南米 4.5/7.3
欧州 13/17.3
北中米 3.5/3.3
アジア・オセアニア 5/2
アフリカ 5/2
(合計)32/32 ※開催国枠含む
現在と比べて、欧州が4枠もしくは5枠増、南米が2.5~3枠増、北中米はほぼ現状通り。一方でアフリカ、アジア・オセアニアがそれぞれ3枠減となる。単純に考えていくと、アジアの上位2国とオセアニア首位の中から2国だけが出場できる形だろう。
一方で現在、カタールW杯アジア最終予選は第4節を終えて、日本はB組で首位サウジアラビアに勝ち点6差の4位。アジアの出場枠は4.5。各組の2位までが出場権を獲得し、3位どうしがプレーオフを行なって、勝者が南米5位、北中米4位、オセアニア1位のいずれかと大陸間プレーオフを戦う(注:対戦相手は今後、クジ引きで決まる)。
もし出場枠が「2」ならB組を首位で勝ち抜く必要があり、現時点では極めて厳しい。出場枠が4.5もあることを感謝しなければなるまい。
“適正出場枠”通りなら、日本が出場できたのは……
ちなみに、仮にアジア・オセアニアからの出場枠が2だったとしたら、日本は直近6大会のうち何大会に出場できたのだろうか。
出場=2002年(開催国)、2006年、2014年、2018年(いずれもグループ首位)
不出場(予選敗退)=1998年(アジア3位)、2010年(グループ2位)
つまり、6大会連続出場といっても本当に参加に値する実力があったのは、開催国だった2002年大会を含めて4大会だけ。2大会は参加に値しなかったということになる。
それでは、日本をはじめとするアジア・オセアニア勢は直近のW杯6大会でいかなる結果を残したのか。
日本は、5勝4分9敗(得点20、失点25)。2002年、2010年、2018年の3大会でGSを勝ち上がっており、GS突破率は50%だ。
日本の宿敵韓国は5勝5分8敗(得点20、失点29)で、日本をわずかに上回る。しかし、GSを勝ち上がったのは2002年(ベスト4)と2010年(ベスト16)の2大会だけで、GS突破率は33.3%と日本より低い。
その他の国では、オーストラリアが4大会に出場して2006年大会でベスト16入りしており、GS突破率は25%。イランとサウジアラビアが4大会、中国・北朝鮮・ニュージーランドが1大会に出場しているが、すべてGSで敗退している。つまり、イラン、サウジアラビア、オーストラリアなどは、アジアでは“強豪”というイメージがあるが、世界の本物の強豪の中に混じると、途端に影が薄くなる。