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「争奪戦は間違いない」「右の松井として評価」鈴木誠也を絶賛したメジャースカウトの言葉…《松井秀喜+井口資仁》のような活躍がカギ?
posted2021/11/01 17:20
text by
笹田幸嗣Koji Sasada
photograph by
JIJI PRESS
鈴木誠也は今オフにポスティングシステムを行使し、メジャーリーグへ移籍するのか。米国でも日増しにその動向に注目が高まっている。走攻守に渡り日本球界屈指の実力を誇る鈴木に対し、ア・リーグ西地区のあるスカウトはそのポテンシャルを絶賛した。
「まず27歳という年齢が魅力的だ。大谷翔平と同じ年齢だよね。野球選手として伸び盛り。体も大きく強さを感じるし、外野手としての守備力もメジャーのレギュラークラスと遜色ないと見ている。その上に足も速い。打撃に関して言えば長打力に確実性が備わっている。ポスティングとなれば争奪戦は間違いない。獲得に乗り出す球団はレギュラーとして期待するだろう」
まさに太鼓判。今季最終戦を前に38本もの本塁打を放ち、打率は首位打者を狙う.319。侍ジャパンでも不動の4番を務める鈴木への高い評価に心が躍った。
野手で日本と同等の数字を残したのはイチローだけ
1995年の野茂英雄から本格化した日本人選手のメジャーへの挑戦。米国でも日本球界で突出した成績を安定して残してきた選手への評価は高い。だが、こんな言葉があるのも事実だ。
「野茂英雄、佐々木主浩、ダルビッシュ有、田中将大らが代表例であるように日本人投手は、日本で残した数字にほぼ等しいものがメジャーでも期待できる。だが、野手に関して言えば、過去の例で見るならば、それはイチローだけだ。日本で残した数字と同等のものを期待するわけにはいかない」
確かに日本では50本塁打を放った松井秀喜でさえ、メジャーでの最多本塁打は31本だった。福留孝介も渡米前は日本では30本塁打が期待できたが、メジャーでは13本塁打が最多だった。安打製造機の名をほしいままにしていた青木宣親でさえも、渡米前の平均打率.329に対し、米国では.285となった。今季、大谷翔平は二刀流として歴史的シーズンを過ごし、打者として46本塁打、100打点、103得点は日本時代にもないキャリアハイの数字だが、大谷に関しては既に“異次元の選手”という存在。日本選手のサンプルには入れてはもらえなくなってしまった。