〈毎日王冠〉シュネルマイスターが歩む“マイル王への道”…手塚師、ルメールの覚悟「クラシックの権利まで捨てるわけですから」

　今週末、東京競馬場では毎日王冠（GII）が行われる。

　天皇賞・秋（GI）へのステップレースの意味合いが強いこのレースだが、近年はマイルチャンピオンシップ（GI）へ向かう馬が日程的な余裕を持つ意味でここを叩くケースが増えている。

　今年も出走馬を見渡すと、その傾向になりそうだ。春の1600メートルのビッグレースである安田記念（GI）を勝利したダノンキングリー（牡5歳、美浦・萩原清厩舎）や、同レースを3着、同じ距離のNHKマイルC（GI）を制したシュネルマイスター（牡3歳、美浦・手塚貴久厩舎）らがエントリーしているのだ。

ルメールが感じていたシュネルマイスターの「将来性」

　中でも今回注目したいのはシュネルマイスターだ。

安田記念では古馬相手に3着と善戦したシュネルマイスター　©Satoshi Hiramatsu

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　2歳だった昨年の9月、札幌競馬場の芝1500メートルでデビュー。1着となったが、後のGIホースとしてはそれほど派手さのない勝利だった。管理する手塚調教師は「力強さこそないものの、1歳で最初に見た時からバランスの良い馬とは感じていたので、初戦から期待していました」と語った。その上で「正直、もっと楽に勝てると思っていました」と言うが、辛勝となったのにも理由があったと更に続ける。

「騎乗した横山武史君は『まだ幼い』と言っていたけど、実際、当時は飼い葉食いも細いし、競馬ではゲート内でうるさくてスタートがゆっくり。成長の余地を残す中での勝利でした」

　デビュー勝ち後には疲れが出て熱発したと言う。これもまだ体が出来上がっていなかったという事だろう。

　そのため2戦目は3カ月半後になった。中山競馬場の芝1600メートルが舞台となる自己条件のひいらぎ賞に出走すると、体重は前走から14キロ増の474キロ。新たなパートナーにクリストフ・ルメール騎手を迎えた。

ルメール騎手（右）と手塚調教師（2019年の凱旋門賞にて撮影）　©Satoshi Hiramatsu

「成長して体が増えてきたのは好材料だと思いました。レースでは手前の変え方など立ち回りが上手く、器用さのある馬だと感じました」

　手塚調教師がそう語ると、初めてタッグを組んだルメール騎手は次のように言った。

「休み明けの2歳馬としては上手に走ってくれました。まだまだ成長しそうだし、将来性のある馬だと感じました」

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