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「今回の箱根は勝ちたいですね」“ダークホース”順大監督が明かす《今年は何が違う?》―駅伝シーズン開幕インタビュー
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byJMPA
posted2021/10/09 11:01
“今季のダークホース”として注目される順天堂大学。駅伝シーズン開幕を前に、長門俊介監督に話を聞いた
「それは大事なポイントですね。塩尻(和也・3000m障害でリオ五輪出場)がいた時に僕は『塩尻に頼るな』とずっと言い続けてきたんですが、それでも結果的に、そのようなチーム状況になってしまっていた。ただ今回は学生たちが自分たちで気づいてくれたんですよね。『三浦を活かすチームになろう』と。そこは以前のチームとは違いました。
三浦がトラックシーズンや東京五輪で結果を出して、うちの主要メンバーの目線はさらに高くなっている。これは三浦効果ですね」
駅伝シーズンの目標は“箱根駅伝で優勝”
長門は昨季の経験を活かし、最終戦の箱根駅伝に向けては、例年とは違うアプローチをする予定だ。
「今年の箱根に関しては、ある程度早めに区間を決めて選手たちに伝えようと思っています。その区間で戦うんだという意識を持ってもらう方が、直前になって、あーでもない、こーでもないと悩むことにならないかなと」
例えば箱根の場合、鉄板区間以外はレース当日の朝まで誰が出走するのか、分からないことも少なくない。その場合、他のチーム状況に対応できる一方で、選手が疲弊してしまうケースが多く、本番で実力が出ないこともあり得る。ちなみに昨年の順大は、予選会などの影響でコンディションを落とす選手、怪我を抱えた選手も出て、思い描いていた通りのメンバー編成ができず、レース直前まで区間配置が決まらなかった。それでも7位につけることができたのは、選手の底力がしっかりとついていた証とも言える。
そんな順大が掲げる駅伝シーズンの目標は、もちろん「優勝」である。
「学生たちは『箱根駅伝の総合優勝』と言っているので、きつい練習をする時は『総合優勝を狙っているんだから、きつい練習もしないとね』と言って強化しています(笑)。今のところ、優勝争いに十分入っていけるような成果を出せている。駅伝シーズンに入った途端に尻すぼみにならないように。そして、いざ勝負になったら怯まないでほしいですね」