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《シーズン2カ月半で2000万円プレーヤーも》非常勤講師を退職→本場インドに挑む23歳日本人が語る「カバディの知られざる世界」
text by
平野貴也Takaya Hirano
photograph byTakaya Hirano
posted2021/10/06 17:00
カバディの本場インドに挑む阿部哲朗(23)
阿部は「高校生の頃に、下川さんや高野さんに教えてもらい、コテンパンにされたり、すごい試合を見せてもらったり、いろいろな刺激を提供してもらってきた。今度は、刺激を提供する場に立つんだと思うと、誇らしいというか、そういう喜びはあります」と胸を張った。
非常勤講師を退職してインドへ
非常勤講師を退職してインドに発つ阿部だが、将来的には教員になりたいと考えている。一方で、26年アジア大会までは競技を最優先すると決めている。30歳手前の良い時期に大一番を迎えられるという側面もあるが、納得するまで挑戦することに意味を見出しているからだ。
「インドでやっていけるなら、来年以降も行けるところまで行きたいです。最終的には教員になりたいですけど、自分がやっている競技をとことんやり切らないと、自信を持って子どもたちに語れることはないという気持ちもあるので」
小中学校時代は「スポーツよりも音楽が好きで、ドラムを叩いていた」という阿部は、本格的に取り組んだ最初の競技がカバディという稀有なキャリアを持つが、先輩たちから技術や戦術を積極的に学んで成長してきた。
次代を担う若者の挑戦は、日本カバディ界の活性剤となり得るか。コロナ禍の不安の中、阿部は海を渡り、夢の世界へ飛び込む。