月刊スポーツ新聞時評BACK NUMBER
大谷や白鵬なみの熱量で、9月のスポーツ紙が夢中で報じた「ロン毛」小室さんと「せんべい」総裁選の過剰なディテール
posted2021/10/05 06:00
text by
プチ鹿島Petit Kashima
photograph by
BUNGEISHUNJU
9月のスポーツ新聞は大谷翔平、横綱白鵬の引退表明、プロ野球セ・パ大混戦など盛りだくさんでしたが、それらスポーツに負けずに「社会面」も目立った。しかも、大ネタなのに細部に熱量が凄かった2つの話題がありました。発表します。
まず一つ目は「小室圭さん」報道。
おさらいすると、小室さんは秋篠宮家の長女眞子さまと4年前に婚約内定。しかし小室さんの母親と元婚約者の金銭トラブルが報じられて結婚が延期になった。小室さんはアメリカ留学し、結婚に備えて今年9月27日に帰国。宮内庁は10月26日におふたりが結婚されると発表した。
小室さんは「聖と俗」を抱える人だ。ここでいう聖とは皇室、俗とはゴシップ。こんなに極端で稀有な人はいない。なのでマスコミやワイドショーはよだれを垂らしているようにみえる。
話題豊富な小室さんですが、私が注目したのは「見た目」に関すること。今回、小室さんが長髪になっていたことがトピックのひとつになっていたのだ。
正直にいうと私もこの話題に飛びつきそうになった。でももう見かけをあれこれ言う時代ではない……。私もおじさんなりに成長しないといけないと自問自答していた。
全メディアが髪型に夢中!?
そんななか帰国翌日(9月28日)のスポーツ紙を見てみると、
『ちょんまげ帰国 小室さん』(スポニチ)
『ポニテ帰国 小室圭さん』(日刊スポーツ)
『小室圭さんロン毛 ポニーテール帰国』(サンスポ)
普通に見出しで大きく扱っていたのだ。
外見の変化にその人のなにがしかの「意思」や「主張」が読み取れるのだとしたら、考察する必要もあるかもしれない。でもどこか気になるのは、小室さんはもうイジリ&叩き放題という雰囲気のほう。週刊誌はもっと露骨だ。