スポーツ名言セレクションBACK NUMBER
大谷翔平17歳「藤浪君、高いな」「野茂さんがやったようなことを…」 かわいさとスゴさだらけの二刀流伝説《高校野球・日本ハム編》
text by
NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph byHideki Sugiyama
posted2021/09/11 17:02
2014年、20歳だった頃の大谷翔平
2ケタ本塁打&勝利、衝撃の「1番投手で先頭打者本塁打」秘話
2年目に日本プロ野球史上初となる「2ケタ本塁打(10本)+2ケタ勝利(11勝)」を達成。続く2015年は打撃こそ振るわなかったものの15勝5敗、防御率2.24で最多勝利、最優秀防御率、最高勝率の投手三冠に輝いたのだった。
<名言4>
みんなには「ホームラン狙って、空振りしてきます」って言ってたんです。そうしたら当たった(笑)。
(大谷翔平/Number912号 2016年10月6日発売)
◇解説◇
大谷が日本ハムに所属した5年間において、最大のインパクトを残したのは2016年だろう。
日本人最速の165kmを投げ込むなど3年連続での2ケタ勝利をマーク。前年に不振だったバッティングでも打率.322、22本塁打、強打者の指標であるOPSで1.004をマークし、完璧な二刀流を披露。文字通りパ・リーグと日本シリーズ制覇を牽引し、史上初の投手と指名打者でのベストナイン受賞となった。
また日本シリーズ後の日本代表強化試合では松井秀喜以来となる「ボールが東京ドームの天井に入ってしまう超高弾道の二塁打」という珍記録も作った。
数多くの“マンガ越え”のプレーを見せてきたが、いわゆる“リアル二刀流”での起用で、大谷はピッチャーとして7戦7勝、バッターとして打率.381、1本塁打、4打点という途方もない記録を残した。
特に衝撃的だったのは7月3日のソフトバンク戦だった。「1番・投手」としての初打席で大谷は初球を振り抜き、2年ぶりの2ケタ本塁打を先頭打者ホームランで達成してしまったのだ。
「1番ピッチャーって聞いたときも、最初は『これはさすがに無理かな』と思いましたから……だってホームランを打ってこいってことでしょ」
大谷は当時について、こう語っていた。しかし栗山英樹監督の「翔平が野球を楽しめる」策としての超大胆起用に応えた大谷は、ニヤッと笑って「最終的には楽しかったですね」と語っている。
なおこの試合、大谷は8回10奪三振の好投でソフトバンク打線を牛耳って8勝目を挙げた。投打ともに役割分担が進む現代野球の中で、驚愕のハイパフォーマンスを見せ続ける大谷。アメリカにわたってさらに進化を遂げた豪快かつ華麗なプレー、そして楽しそうな表情に多くの人々が魅了されるのは、なんら不自然なことではない。
記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。